「AIゆりこ」が話題だが、企業ではAIモデルが広がる…不祥事を起こさず何をやらせても文句を言わない、最高の広告塔
東京都知事選を前に、突如として登場した「AIゆりこ」が話題だが、大企業の間ではAIが生成したリアルな「AIモデル」を広告や販促に起用するケースが増えている。しまむらのほか、伊藤園や野村ホールディングスなどだ。その実在していそうなリアルな姿を見てみよう。 【写真】しまむらや野村ホールディングスなどが起用した超リアルなAIモデルたち。 (杉原健治:フリーライター) ■ しまむらの販促にAIモデルを起用 6月5日、しまむらの販促活動にAIモデル「瑠奈(るな)」が起用されたことが発表され、瞬く間に大きな話題となった。このAIモデルは名前のほか、年齢(20歳)や身長(158cm)、職業(服飾専門学生)、さらには特技や趣味、家族構成など細かなプロフィールが設定されている。 すでにSNSのInstagramで活動を始めており、投稿されている写真は実在する人間のようにしか見えないほどリアルだ。 この投稿をInstagramで見る しまスタイル / トレンド発信メディア【しまむら公式】(@shimastyle.jp)がシェアした投稿 自撮り写真などの他、普段の生活の様子なども発信するなどまるで本物のモデルのように活動。10代~20代の若年層をターゲットとし、SNSを中心に情報発信していくようだ。
■ 伊藤園やパルコ、野村ホールディングスも 2023年10月には、伊藤園が「お~いお茶 カテキン緑茶」のテレビCMに日本で初めてAIタレントを起用したことで話題になった。CM内では、歳をとった姿から若い時の姿に一瞬で若返るなど、AIタレントならではの演出も見られた。 パルコもAIモデルを起用し、グラフィックや動画、音楽からナレーションまで全て生成AIで作成されたファッション広告を公開。ナレーションの音声は、パルコ社員など複数の女性からサンプリングした声をもとに生成されている。
■ インフルエンサーとして活動するAIモデルも 野村ホールディングスは、新NISAの広告にAIモデル「imma」を起用。immaは野村ホールディングス向けに生成されたものではなく、バーチャルヒューマンのプロデュース会社Aww(アウ)が生み出したもので、バーチャルインフルエンサーとしてすでに活動を広げている。4月には、大阪・関西万博のスペシャルサポーターに就任することも発表されている。 immaのInstagramフォロワー数は2024年6月時点で38万人を超えており、インフルエンサーとして大きな影響力を持っている。Instagramでは出かけた場所や食べたもの、会った人などの日常風景を投稿しており、一見すると実在の人物と変わらないと思えるほどだ。 この投稿をInstagramで見る imma(@imma.gram)がシェアした投稿 また「東京2020パラリンピック」の閉会式への出演や、ファッション誌『Harper's BAZAAR』台湾版では表紙を飾り、36ページの巻頭特集を組まれるなど活動の場は幅広い。さらに2023年8月には自身のファッションブランド「Astral Body」を立ち上げている。