悪玉コレステロール値を下げたいなら「大豆」を食べるべき理由【管理栄養士が解説】
納豆や豆腐などの大豆食品の健康効果については昔からTVやメディアで取り上げられることが多く、ふだんから大豆食品を摂り入れている方も多いですよね。さらに大豆にはコレステロール値を下げる機能があります。そこで、今回は大豆の栄養素やコレステロールを下げる機能について、管理栄養士の栗城さんに解説していただきました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
なぜ大豆がコレステロール値を下げると言われる? 大豆に含まれている栄養素を紹介
編集部: はじめに、大豆に含まれる主な栄養素について教えてください。 栗城さん: 大豆の主な特徴は、なんといってもタンパク質です。「畑の肉」と呼ばれる通り、食品中に含まれる必須アミノ酸のバランスを評価した「アミノ酸スコア」が大豆は100になります。アミノ酸スコアが100の食品は肉や魚などありますが、大豆はコレステロールなどの無駄な脂質を一緒に摂ることなく、良質なタンパク質を摂ることができます。大豆には、タンパク質以外にもリノール酸やリノレン酸などの不飽和脂肪酸やビタミン・ミネラルなどが豊富に含まれています。 編集部: 大豆と聞くと大豆イソフラボンも有名ですが、どのような特徴がありますか? 栗城さん: 大豆イソフラボンは女性の美容と健康に良いイメージがあると思いますが、その理由は大豆イソフラボンの化学構造にあります。大豆イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)と構造が似ているため、生体内のエストロゲン受容体とくっついてエストロゲンと似た作用をします。 編集部: 大豆はどのようにしてコレステロールを下げるのでしょうか? 栗城さん: コレステロールの中でも「LDLコレステロール」は悪玉コレステロールと呼ばれ、数値が高くならないようにする必要があると言われています。しかし、LDLコレステロールは本来悪者ではなく、肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ作用があります。しかしバランスが悪くなってLDLコレステロールが高値になると、動脈硬化などを発症する恐れがあります。そして、大豆タンパク質は腸の中で胆汁酸と結合して便とともに排出されます。この胆汁酸は肝臓においてコレステロールから作られることから、肝臓では血中からコレステロールを取り込むようになります。つまり、コレステロールから胆汁酸が作られ、大豆タンパク質と結合して体の外へ排泄される、という流れで血中のコレステロールが下がるという仕組みです。ほかにも大豆レシチンや食物繊維が含まれていることもコレステロールを下げるにあたってプラスに働いています。