春の肌トラブル対策。荒れてしまった肌に効果的なスキンケアを皮膚科医が解説
春になると肌の調子がゆらいで、肌悩みが増えたり、毎日のケアが正しいのか迷うことも。そんな“ゆらぎ肌”の原因と対策を、皮膚科医の小林智子さんに教えてもらいました。 【イラスト】バリア機能が低下した肌のイメージ図
うるおい不足は、肌のバリア機能低下の大敵
春になると、肌荒れやカサつきなどの不調が増えがち。しかもその傾向が年々強まるように感じるのはなぜ? 「冬の乾燥から立ち直っていない春の肌は、花粉などの外的刺激の影響を受けやすい状態です。そこに加齢や女性ホルモンの減少によって皮脂量が減ると、肌の乾燥が進んでバリア機能がさらに低下してしまいます」と、話すのは皮膚科医の小林さん。 そんな肌を立て直そうとスキンケアをやみくもに重ねると、逆に刺激になって逆効果なこともあるそう。 「ただでさえ大人の肌はターンオーバーが遅くなっているため、トラブルを起こすと回復に時間がかかるもの。まずはバリア機能を高める意識で、ケア方法やアイテムを見直してみましょう」
肌内部がうるおうことでバリア機能が保たれる
バリア機能が正常な肌の角質層内は、天然保湿因子(NMF)で満たされた角質細胞が規則的に並び、その間にセラミドなどの細胞間脂質がみっちりつまって、うるおいが保たれた状態。さらに、皮脂膜が肌表面からの水分の蒸発を抑えています。この3つの役割をスキンケアで補うこともできます。小林さんおすすめの、スキンケアに取り入れたい成分は?
●うるおいを補給する「セラミド」
水分の吸収・保持の役割を果たす角質細胞をつなぎとめるのが、細胞間脂質のセラミド。しっかり補給することで角質層内が整います。
●セラミドの力を高める「ナイアシンアミド」
セラミドの産生を促す効果のあるナイアシンアミドも一緒に与えましょう。敏感肌用のアイテムに含まれているものを選んで。
●うるおいにフタをする「ワセリン」
バリア機能が低下すると肌の蒸散が進むと同時に外的刺激を受けやすくなるため、肌を守る皮脂膜代わりになるワセリンは効果的。ワセリンはクリームなどに含まれています。
ESSE編集部