藤枝東vs神奈川県U-17選抜

　8月6日、KANAGAWA CHALLENGE CUP 2024が三ツ沢公園陸上競技場で行われ、神奈川県U-17選抜と対戦した藤枝東(静岡)が5-0で勝利した。 【フォトギャラリー】神奈川県U-17選抜 vs 藤枝東 　惜しくもあと一歩でインターハイ出場を逃した藤枝東。選手権出場＆プレミア昇格、加えて学校創立100周年ということもあり、各選手の顔つきや身体つきからも、ここまでかなりハードなトレーニングや選手間の競争をしてきていることが伺えた。 　試合は、その藤枝東が8分、MF8小島荘司の右サイドからの折り返しをFW9湯山大輔がゴールに流し込み先制すると、ここから怒涛のゴールラッシュを魅せる。12分には、湯山からのパス受けたFW11藤井有志がドリブル突破からGKの位置を見極め、ゴールを揺らす。すると、藤井は18分にもMF8小浦京之助の縦パスをPA前で受けると相手DFのチェックを交わして追加点を挙げる。さらに29分にはDF24増田陽斗の左サイドからのクロスが相手DFの裏に流れたこぼれ球を湯山が流し込み自身2ゴール目を決めると、前半終了間際の44分にはGK1宮崎真心からのロングフィードの処理を相手GKがもたついた隙を見逃さずハットトリック達成。その差を5点に広げる。 　これに対し、神奈川県U-17選抜も13分、DF2武山陽介（桐光学園）のドリブル突破、32分にはFW11池松遥（東急SレイエスU-18）とFW14田中翔（湘南工科大付属）が共に僅かに枠を捉えられなかったものの惜しいシュートを放つなど、流れを引き戻しかけた。 　エンドが変わった後半は一転、攻守の切り替えが激しい展開となる。まずは1点を返し、反撃に出たい神奈川県U-17選抜は、立ち上がりから守備の強度を上げ、DFラインを高く保ち全体をコンパクトにすることで徐々に攻撃の時間帯が増えていく。これに対して藤枝東は後半から投入されたMF7泉孝太郎が個人技と裏への抜け出しから追加点を狙うが、相手の身体を張った対応にフィニッシュは出来ず。さらに飲水明けにはFW2小池海人のミドルシュートもクロスバーに嫌われてしまう。結局、後半は互いにスコアを動かすことができず、前半5点を挙げた藤枝東が勝利を収めた。 　試合後、藤枝東・小林公平監督は「相手がアグレッシブに前から来る中で選手が判断して関係性を作りながら、相手の背後を突いて前進できたのが良かったです」と前半の戦いぶりをひとまずは評価した。しかし後半に関しては「凄く素晴らしいチームだったのでチャンスの数で言ったらあまり変わらなかったかなと思います。（前半での）湯山の決定力があったので差が出たのかなと思います」と課題も口にした。ハットトリックの湯山は「前半の入りからしっかり集中できました」と総括した一方で「前半終盤のリーグ戦で3連敗をして自分たちの弱さが脅威になってもっと強くならなければと思いました。インハイに出場した静岡学園を始め、周りも成長しているので、それ以上に自分たちはやらないといけないと思います」と満足はしていなかった。 　また、敗れた神奈川県U-17選抜・加藤健太郎監督は「まずは結果としては残念…でしたが、私が提示したことに対して選手は意図を持って行動してくれました」と選手を労った。さらに「前半、少し守備のところを整理できずにやられてしまったので、後半、そこを選手と話しながら修正してゼロに抑えられたのは選手の頑張りだなと思います」と今回の招集に対して一定の目的が果たせたことへの満足感を見せ、選手たちの今後の成長に期待を込めた。 （文・写真＝西山和広）