アドビ株急落、低調な売上高見通しでAI競争激化懸念強まる
(ブルームバーグ): ソフトウエアメーカーの米アドビの株価が14日の米株式市場時間外取引で一時約10%下落した。3-5月期(第2四半期)の低調な売上高見通しを示したことから、人工知能(AI)に注力する新興企業が競争上の脅威となるとの懸念が強まった。
アドビの同日の発表資料によると、3-5月期の売上高は52億5000万ドル(約7800億円)から53億ドルの見通し。ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均は53億1000万ドルだった。1株利益は一部項目を除いたベースで4.40ドルの見込みで、アナリスト予想平均は4.38ドル。
クリエーティブアートの専門家向けソフト分野で長年のリーダーであるアドビは、生成AIベースの新興企業が同社の市場を切り崩すとの懸念に直面している。アドビは「Photoshop」や「Illustrator」などの主力製品に独自のAIモデル「Firefly」を搭載して対応してきたが、オープンAIが最近行った動画生成モデル「Sora」のデモンストレーションを受け、投資家の間で市場競争を巡る懸念が再燃した。
株価は米株式市場の時間外取引で506.11ドルの安値をつけた。通常取引終値は570.45ドル。2023年に77%上昇した株価は今年初め以来4.4%下落している。
23年12月-24年2月(第1四半期)の売上高は11%増の51億8000万ドル。1株利益は一部項目を除いたベースで4.48ドル。市場予想平均では、売上高は51億4000万ドル、1株利益は調整後ベースで4.38ドルと見込まれていた。
原題:Adobe Drops on Weak Forecast Fueled by AI Competition Fears (1)(抜粋)
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Brody Ford