画業50年マンガ界の鬼才・永井豪の展覧会「思い出が詰まってます」
マンガ界の鬼才・永井豪(72)さんの「画業50年“突破”記念 永井GO展」が、大阪市港区にある「大阪文化館・天保山」で始まった。過去最大級の展覧会で、デビュー作から最新作まで、貴重な直筆原稿やカラーイラストなど600点以上を展示。開会式に姿を見せた永井氏は「これほど多岐にわたり、作品が集められたのは初めてだと思います。これまでにない展覧会を開催できたと思います」と話した。今月9月24日まで。 【拡大写真付き】漫画家・永井豪、キューティーハニーは嫁に出した 実写と原作は全く別物
代表作に『デビルマン』『マジンガーZ』『キューティーハニー』など
永井さんは石ノ森章太郎のアシスタントを経て、1967年『目明しポリ吉』でデビュー。代表作に『ハレンチ学園』『デビルマン』『マジンガーZ』『キューティーハニー』など、ジャンルの多彩さが大きな特徴となっている。『凄ノ王』で第4回講談社漫画賞を受賞、第25回日本映画批評家大賞アニメーション部門ダイヤモンド大賞、第47回日本漫画家協会賞文部科学大臣賞を受賞している。
鬼と悪魔、ヒーロー、ヒロイン、ギャグ、ロボットとジャンル分け
会場には「鬼と悪魔」「ヒーロー、ヒロイン」「ギャグ」「ロボット」と大きく4つのジャンルにわかれ、仕事机の再現などもあり、撮影自由のエリアもあった。 「私の50周年の思い出が詰まっています。時代、時代で、そのつど自分の思いを詰め込みながら、漫画を描いてきました。デビュー前から、いろんなジャンルの作品に対応できるようにいろんな勉強をしてきました」と話す永井さん。 今回の会場については「広くて大きいので、今回は普段出さない鉛筆での下描きとかそういうものも出しています。遊びで描いた絵も展示しています。鉛筆で描くときはペンと違って安心感がある。ペンの時はこれで決めると思っているし、プレッシャーがかかります」と話していた。
50年の歴史で最も思い出深い作品は?
2005年4月から大阪芸術大学キャラクター造形学科教授に就任(2017年度まで)していたこともあり「大阪芸大で12年間教えていましたので、(大阪で)一泊してから大阪芸大に行ったり、以前はけっこう大阪に来てましたが、最近は年に1~2回です。大阪はおいしいものも多くて、好きです。大阪で初めて電車に乗った時、皆さん、漫才をしてるのかなと思いました」と記者たちを笑わせた。 また、会見で50年の歴史の中で最も思い出深い作品について記者に聞かれると「それぞれ、その作品に向き合っていて、すべての作品が限られた時間の中でやっています。世代、世代によって思い出の作品も違うし、僕自身も、『これだ』と言えません」と永井さん。
そして「これからも新しい物に挑戦していきたい」と、意欲を見せ、最後には開幕を記念して展示室の入り口にサインとイラストを描いた。 (文責/フリーライター・北代靖典)