UVERworld×CNBLUE、お互いのリスペクト溢れた奇跡の日本公演:レポート
UVERworldとCNBLUE、日本と韓国を代表する2組のロックバンドが6月15日、日韓で対バンライブ『UVERworld & CNBLUE SUMMER LIVE IN JAPAN and KOREA ~UNLIMITED CHALLENGE~』を開催。UVERworldにとっては初の韓国公演、CNBLUEにとっては初の対バン形式ライブとなるが、その初戦となるぴあアリーナMMでの日本公演が行われた。 【写真】UVERworld×CNBLUE対バンライブの模様 約1時間の持ち時間。両バンドともに、これまで交わることのなかったファンのためもあってか、入門編ともいえるライブテッパン曲がセットリストに並んだ。「初めて会った時に、驚くほど共通点が多くて意気投合した」というUVERworldのTAKUYA∞とCNBLUEのヨンファ。ともにバンドの楽曲も手掛けるフロントマン同士の交流がきっかけで、今回の対バンが決まった。ライブタイトル『UNLIMITED CHALLENGE=無限の挑戦』には、ヨンファのMCにもあったように、UVERworldのTAKUYA∞とCNBLUEのヨンファの一番大きな共通点はずっと夢を持ち続け挑戦すること、デビューから今まで絶えず挑戦を繰り返してきた両者が手を組み、また一つ新しいことに挑戦しようという強い意志が込められている。 ライブの先攻は、CNBLUE。「ヨコハマー!」というヨンファの絶叫とともに、「Between us」で幕を開けると、客席は1曲目から総立ちに。「I'm Sorry」では右手を上下させるヨンファの通称「モラゴダンス」を会場中が一斉に真似ていたが、客席にBOICE(CNBLUEファンの呼称)とcrew(UVERworldファンの呼称)の垣根は見えない。会場中がCNBLUEとシンクロした一体感の中に、ヨンファのシャウトがひと際映えた。 日本では日本語の曲で、韓国と日本以外の海外では韓国語の曲で活動しているCNBLUE。冒頭は韓国での代表曲を固め、中盤には日本の楽曲を持ってきた。日本メジャーデビュー曲「In My Head」から、ヘヴィーでロックな曲を3連発したかと思えば、サビに振付けのある「SHAKE」を持ってくると、crewもBOICEを見ながら一緒にダンス。その姿を見たヨンファが「チェミッタ!(韓国語で楽しい)」と称賛すると、会場も一斉に「チェミッタ!」と返した。ロックな曲からみんなと一緒に踊れる曲まで、常にライブ会場で観客と一緒に盛り上がれることを考えて曲を作っているとヨンファの曲作りへの思いも伝わる選曲となっていた。 ヨンファがキーボードを弾く「Can't Stop」からのラストスパートは、「Radio」で熱量が最高潮に。「YOU'RE SO FINE」では歌詞に合わせてヨンファが可愛らしいゼスチャーを見せると、最後にオフマイクで会場とのコール&レスポンスを楽しんで、多幸感に溢れたエンディングを迎えた。 MCでは、「僕たちが対バンをするのは、初めて。サマソニやROCK IN JAPANなどフェスや事務所のファミリーコンサートでほかのアーティストのライブを見る機会はありましたが、初の対バンは準備からドキドキしていました。次は夏フェスで一緒に出たい」というベースのジョンシン。「日本メジャーデビュー直前に、リンキン・パークのオープニングアクトをさせてもらいましたが、そのときのように今日が楽しみでした。日韓のバンドが一緒にライブを作れるのは、バンドマンだからできる楽しさ」とドラムのミンヒョクがライブへの期待の大きさを伝えると、ヨンファは「去年TAKUYA∞さんと初めて一緒に食事に行ったとき、2人ともグルテンフリーのメニューを頼んだところから始まって、プライベートの車も仕事用の車も同じと、似ているところが多くてびっくりしました。でも一番似ているのは、ライブが大好きということ。そしてずっと夢を持ち続け、チャレンジし続けているところ。CNBLUEの夢は、東京ドームです!」と語ったが、この日のヨンファのトークは、TAKUYA∞の話ばかりで、その尊敬ぶりが伺えた。そして「UVERworld先輩と一緒にライブができて光栄です。この後は、ファンの一人として皆さんと一緒に楽しみたいです」とUVERworldにバトンを渡した。 CNBLUEは、日本語と韓国語の曲が半々の選曲。対バンだからといってもロックに限定することなく、ポップチューンからスィートなラブソングまで、CNBLUEの全方位ともいえる、幅広い音楽性をアピールできるセットリストとなった。 後攻のUVERworldは、真太郎の激しいドラムソロが会場のムードを一瞬で変えると、ステージ中央にメンバーが密集し、ドラマ主題歌としてお馴染みの「AVALANCHE」で幕開け。オートチューンのかかったTAKUYA∞のボーカルにグイグイと引き込まれる。「ぴあアリーナ、やっちゃおうぜ!」とTAKUYA∞が勢いをつけると、「IMPACT」でファンも一緒にシンガロング。「おいcrew、BOICEを連れてきてくれよ。誰も置いていかねー!」というTAKUYA∞の言葉で、シンガロングの声は一層力強くなり会場の一体感が増す。TAKUYA∞が「なぜノリでこんな対バンを受けちゃうのか……、それはお互いの興味を持っていないファンの心にぶっ刺すため。できるかできねぇかわかんねーけど、全部やって確かめればいーだろー!」と言うと、「PRAYING RUN」に突入。TAKUYA∞は毎日10キロのランを欠かさないが、ヨンファも日々のトレーニングを欠かさない。そんなストイックさも2人共通点だ。会場の一体感がお互いのファンにぶっ刺さったことを証明してくれた。 crewとBOICEがひとつになった様を見てTAKUYA∞は、「チェミってきた!」と先ほどのヨンファの言葉を引用。そして「CNBLUEへのリスペクトを込めて」と、勉強しているという韓国語でCNBLUEの「Between us」を披露しファンを驚かせた。「本番までバレないようにしていたのに、朝のリハでバレちゃった」というUVERworldが用意したサプライズに、CNBLUEメンバーたちも客席から身を乗り出して見入っていた。 「在るべき形」を歌う終わると、「だいぶチェミってる~!」と言い「UVERworldの一番大事な曲。ほかの曲が刺さらなかったとしても、この曲が初めてみるあなたに、いつも見てくれるあなたに刺さればいい」と「EN」を歌い、TAKUYA∞はバンド愛を叫んだ。 百戦錬磨のTAKUYA∞が「緊張していたかもしれない」というこの日のライブ。「CNBLUEは俺らのことを先輩って言ってくれるけれど、世界をツアーで回って結果を出している彼らをむしろ先輩と思っている。ヨンファは『東京ドームやりたい!』っていっていたけれど、やればいいし、やるべき。東京ドーム、最高。日本一のカッコいい場所。最高のライブが経験できると思う。みんなも、UVERworldとCNBLUEの音楽や姿勢から、チャレンジするきっかけを受け取ってくれると嬉しい」と希望を伝えた「7日目の決意」から、crewとBOICEの歌声が会場を満たした「Φ choir」でフィニッシュを迎えた。 デビュー以降、日本のバンド界で第一線を走り続けてきたUVERworldと、韓国でデビューし日本のみならずワールドワイドに活動しているCNBLUE。お互いの音楽にリスペクトし生み出されたケミストリーにお互いのファンもひとつになって、音楽を、そしてバンドを愛する想いに国境も言語も関係ないことを証明してくれる空間が爆誕した。この奇跡の2マンライブは、7月27日に韓国でも開催される。(取材・文/坂本ゆかり) ■日本公演セットリスト 【CNBLUE セットリスト】 Between us Cinderella I'm Sorry In My Head Where you are Lady SHAKE Can't Stop Radio YOU'RE SO FINE 【UVERworld セットリスト】 AVALANCHE IMPACT Touch off PRAYING RUN Between Us *CNBLUEカバー 在るべき形 EN THEORY Eye’s Sentry AFTER LIFE 7日目の決意 Φ choir