「まさか…夫の隠し子が発覚!」65歳妻を襲った“地獄の日々”仲良し夫婦だったのに…死後にバレた「夫の嘘」の残酷すぎる真実
心から信じきっていた夫に裏切られたという思いもあり、A子さんは打ちひしがれました。 忘れようと思っても、夫の息子であるB太の存在が頭から離れません。 老後資金の少なさからパートをはじめたものの、慣れない仕事でミスも多く、若い人たちから叱責されることもあるそうです。 ■夫の遺影も伏せられたまま… A子さんの生活は徐々に荒れていき、夫の遺影も伏せられたまま。 「これまでの35年はなんだったんだろう……」 A子さんは心のよりどころを完全に失ってしまいました。
ありし日の夫を懐かしみながら老後生活を送るはずが、夫への恨みと経済的な不安から、地獄のような苦しみの日々を味わうことになったのです。 どんな事情があったのかはわかりませんが、A男さんに認知した子どもがいるという事実を変えることはできません。 そのため、A男さんが死亡したときに子どもであるB太さん(あるいはB太さんの子どもや孫)が相続人になることは、避けられません。 しかし、実は「打てる対策」はあったのです。
それは、A男さんが「すべての財産を妻のA子に渡す」という遺言書を作成しておくことです。 ■遺言書があれば、結果はまったく変わっていた 子には4分の1の遺留分(最低限保証された遺産の取得分)があるため、実際には全財産がA子さんに渡るわけではありませんが、それでも以下のようになります。 【遺言書がない場合】(今回の例) A子さん(妻):不動産(2000万円)と現預金500万円 B太さん(子):現預金2500万円
※不動産などの分割方法は話し合いによるが、財産は50%:50%の割合で分けられる 【遺言書がある場合】(A男さんが「妻にすべての財産を渡す」との遺言書を残す) A子さん(妻):不動産(2000万円)と現預金1750万円 B太さん(子):現預金1250万円 ※不動産などの分割方法は話し合いによるが、財産は75%:25%の割合で分けられる 上記のようにB太さんに遺留分の1250万円が渡るとしても、A子さんに残るお金が1750万円なら、遺言書なしの500万円とは大きな違いです。
認知した子に財産が渡るのは仕方のないことですが、A男さんが遺言書を残しておくことで、A子さんの老後を少しでも安心に導くことができたはずです。 A男さんがA子さんを愛していたなら、これは準備不足としか言いようがありません。 ちなみに、子どものいないおふたりさまご夫婦の場合、故人(被相続人)の親やきょうだいにも相続の権利が発生します(「おふたりさま夫婦」だから起る「“相続”の大問題」)。 「配偶者の今後」を思うなら、隠し子がいようがいまいが、やはり「遺言書」を残しておくことを、強くおすすめします。
松尾 拓也 :行政書士、ファイナンシャル・プランナー、相続と供養に精通する終活の専門家