痛む、こる、だるい…【なんとなく不調】改善の鍵「股関節」を整える全方位くるくるストレッチ
病院に行くほどではないけれど、あちこち痛む、あちこち凝る、あちこちだるい…なんとなく体がスッキリしない不調を解決するために、股関節の柔軟性を上げて筋肉のバランスを整えませんか? *写真でやり方を見る→痛む、こる、だるい…【なんとなく不調】改善の鍵「股関節」を整える全方位くるくるストレッチ ■股関節の柔軟性 「股関節が硬い」「股関節が柔らかい」このように表現してしまいますが、股関節の柔軟性は一方向の動きのみでは正確に評価できません。 股間節の動きを詳しく見ていくと、 ・股関節の屈曲…脚を前方に持ち上げる ・股関節の伸展…脚を後方に引く ・股関節の外転…脚を外に開く ・股関節の内転…脚を内に閉じる ・股関節の外旋…脚を外に回旋する ・股関節の内旋…脚を内に回旋する これだけの動きができ、関わる筋肉や靭帯の数も非常に多いです。それだけに、まずは全ての動きにおいて現状でどれくらいの柔軟性があるのか、前後左右の筋バランスがどのような状態なのかを知ることが大切です。そして、得意な動きばかりするのではなく、色々な方向に動かして股関節まわりの筋肉をまんべんなく使い、全体的に柔軟性を上げていくことが必要になります。 ■筋バランスと体の不調 例えば、膝を外に開く開脚系の動きは得意だけれど、膝を内側に倒す動きは苦手という場合は、股関節の外転・外旋で伸ばされる筋肉は柔らかいけれど、股関節の内転・内旋で伸ばされる筋肉は硬いと考えて良いでしょう。 左右差や動きの得意・不得意は誰にでもありますが、その差が大きいということは筋バランスが崩れているということになります。筋バランスが崩れると姿勢が悪くなり、血行不良、自律神経のバランスの乱れ、筋肉の凝りや張りなどを招きます。体の使い方にもクセが強く出てしまうため、さらにアンバランスになっていく一方なのです。 ■股関節の筋バランスが大切な理由 股関節は人体の中で一番大きな関節で上半身と下半身を繋いでいるため、股関節の筋バランスの崩れや動きの悪さは、全身に悪影響を及ぼします。逆に、股関節の前後左右の筋バランスが取れて全方位まんべんなく柔軟性が上がると、膝や腰にかかる負担は減りますよ。 さらに、股関節の動きに関わる殿筋は胸腰筋膜を介して背中との繋がりが強いため、お尻が柔らかくなると背中の状態も良くなります。背中の張りや凝りが和らぎ動きが良くなると、その上の首の負担も減ります。何より、筋バランスが整うと骨盤が正しい位置に整うので姿勢や血行も良くなり、大人の「なんとなく不調」の大部分が解消されるでしょう。 ■股関節回旋ストレッチ では、股関節を回旋しながら全方位にストレッチしてみましょう。やりにくい動きは、その方向の動きの伸びしろがあるということなので「もっと体が楽になるポテンシャルがある」とポジティブに捉えてくださいね。 〈やり方〉 1)四つ這いの姿勢から右足を両手の間につき、左足をもう少し後ろに引けそうなら引いて足幅を広くセットする。左膝を上げて背すじを伸ばす。 2)左側にくるりと向きを変え、右膝は曲げて外に開いた状態、左膝は伸ばして外に開いた姿勢になる。右カカトが床につく人は、お尻を床方向に低めに下げる。左つま先は天井に向ける。 3)元の向きに戻ったら、そのまま右側にくるりと向きを変え、右膝は曲げておへその前あたりに右足がくる状態で、左膝は伸ばしてつま先を右側に向ける。左のお尻を床方向に低めに下げる。 4)この一連の動きを5回前後繰り返し、反対側も同様に行う。 ●ポイント 向きを変える時に、前後のつま先も体の向きに合わせて動かしましょう。どの方向を向いている時も、つま先と膝の向きを揃えるように注意してください。くるくる向きを変えることで、股関節屈曲、伸展、外転、内転、外旋、内旋すべての動きを網羅して股関節まわりの多くの筋肉にストレッチをかけることができます。この動きは、ぜひ動画を参考にしてくださいね。 ライター/高山ゆかり(ヨガ講師)
高山ゆかり