青森みちのく銀行が始動 独禁法の特例初適用で合併、県内シェア8割近く
青森みちのく銀行が6日、初営業日を迎え、青森県内唯一の地方銀行として始動した。青森銀行とみちのく銀行の合併により、預金・貸出金の県内シェアは8割近くを占め、同一県内のシェアが高くなっても経営統合・合併を認める独占禁止法の特例法が適用された全国初の地銀となった。地銀2行による激しい競争が終わり、県内地銀「1強」時代が幕を開けた。 同行本店(青森市、旧青銀本店)で開いたオープニングセレモニーでは、石川啓太郎頭取、藤澤貴之会長、親会社・プロクレアホールディングス(HD)の成田晋社長がテープカットで開業を祝った。 石川頭取は「合併新銀行が、全てのサービスを開始する。地域の皆さまから『ここになくてはならない銀行』と思っていただけるよう、良質な金融サービス提供に努める」とあいさつ。5日に発生した通帳入金を巡るATM障害について「お客さまに大変ご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げる」と陳謝した。 セレモニー後の取材には、ATM障害の早期復旧に向けた対応を進めていると強調。「全体のシステム稼働には影響がないと判断し、サービスの全面開始を決断した」と説明した。 同行によると、初日の営業店は通帳繰り越しで訪れる来店客が多く、待ち時間が普段より長くなる店舗もあった。繰り越し専用の窓口開設、本部からの応援や近隣営業店同士の人員派遣などの混雑対策を取り、「大きな事故なく窓口営業を終了できた」としている。7日以降も多数の来店客が予想されるため「引き続き、緊張感を持って対応する」とコメントした。 1月1日付で誕生した青森みちのく銀行は、預金残高5兆3122億円、貸出金残高3兆5364億円。いずれも東北地方で七十七銀行(仙台市)、東邦銀行(福島市)に次いで3番目の規模となった プロクレアHDの第1次中期経営計画期間は3月末で期限を迎えるため、近く次期中計を公表する。