注文住宅の間取り失敗例3選! 玄関手洗いや広い子供部屋など、改善案とともに解説
間取り失敗例3 将来もめそう! 分割前提の広い子供部屋
男女3人の子供がいる高橋さん夫婦は、兄弟で仲良く遊んで欲しいと思い、2階に12畳の大きな子供部屋を計画しました。 当面は、主寝室で川の字で寝るので、子供部屋はフリースペースとして使い、おもちゃなど子供関係の収納にも使います。子供だけで寝られるようになったら子供部屋として使い、将来的には3分割できるようにします。 当初は大きく空間を確保し、思春期になったら分割する、というのは子供部屋の定番の手法です。この間取りの場合、ドアは、引戸と引き違いで開口部が3つあることになるので、これなら部屋を3分割できそうです。 高橋さんとしては、細かい部分は、将来、子供たちが相談して決めてくれればと考えていました。 ただ、この間取りのままですと、将来、子供たちの間でどの部屋にするかでもめ事が起きそうです。何しろ、北側の部屋はベッドを置くことができないのですから。 分割するとベッドを3つ置けない 図のように子供部屋を3分割すると、北側の部屋は収納が邪魔でベッドを置くことができません。勉強机を置くスペースもないですね。 また、他の部屋には収納がないため、3分割時に新たに収納を作る必要があります。この間取りですと、子供たちで相談して決めるというのは難しいでしょう。最悪の場合、北側の部屋のクローゼットを撤去しなければなりません。 【改善案】分割した間取りを決めた上で、壁を取り払うと発想する 「将来、壁を設置して分割する」と考えると、分割方法はその時考えれば良いとなりがちですが、それでは今回の事例のようにうまくいかないことが多いです。 そうではなく、「分割した間取りを決めた上で、壁を取り払う」と考えると、間取りを作りやすいです。 上記のように、ベッドを配置した上で、空いたスペースに壁や収納も計画します。その上で、破線部分の壁は、新築時に施工しないと考えれば安心です。 高橋さんの場合は、各部屋に収納を設置していますが、当初は広く使うことを考え、将来設置と考えることも可能です。大事なのは、将来の分割案をあらかじめ検討しておくことです。 この考え方は、照明やスイッチ、コンセントにも応用できます。最初から分割して考えれば、将来の余計な出費を抑えることができます。 ドアが布団とぶつかる子供部屋も多い 広い子供部室で、家族で川の字で寝ることを希望する方も多いです。その場合、就寝予定の家族の布団の大きさを間取り図に書くようにします。 こちらの子供部屋では、当面はグレー部分にも布団を敷く予定でしたが、ドアがぶつかってしまいます。 一時的にでも、床に置く家具やモノは必ず間取り図に書きこむようにすれば、このような失敗を回避することができます。 家具配置からの間取り計画については、記事「注文住宅のリビング計画は家具配置から考えよう! チェックポイントや間取りの改善例も紹介」を参考にしてください。
間取りで暮らして問題点を探す
家づくりの失敗は、計画中の間取りでどのように暮らせるかをイメージ出来ていないことが原因で起こります。住宅会社は、「どのように暮らせるか」については説明してくれませんので、施主自身がシミュレーションするしかありません。 私が提唱している「間取りで暮らす」というシミュレーション方法は、記事「注文住宅で間取りを決める前に知っておきたい!失敗しない間取りの基本5つのポイント」で解説していますので、参考にしてください。 この間取り、ここが問題です! (講談社+α新書)
船渡亮