注文住宅の間取り失敗例3選! 玄関手洗いや広い子供部屋など、改善案とともに解説
間取り失敗例2 子供が勉強できない! スタディースペース
動物病院を経営する獣医師の石井さん夫婦は、子供が成長し子供部屋が必要になったため家を建てることにしました。文武両道の石井さんの家では、子供たちは朝5時30分に起床して勉強、朝食後には、親子でバドミントンや筋トレをします。 計画間取りでは、ダイニングに隣接して4.2畳のスタディースペースがあります。スタディースペースには造作カウンターを設置し3人同時に使え、子供だけでなく親が趣味や仕事で使うこともできます。 ダイニング上には吹抜けがあり開放感を演出、リビングの南にある予備室は、子供の遊び場や筋トレ、宿泊用に用意しました。パントリーや内玄関もあり収納量も確保できています。玄関は近くに洗面所もあり、帰宅後、すぐ手洗いもできます。 石井さんの希望を全て満たしているように見えるのですが、実は多くの「暮らしにくさ」が隠れています。その中で、スタディースペースに注目して解説します。 キッチンから遠く、死角のため勉強をサポートしにくい 十分な広さがあるスタディースペースですが、キッチンから遠く視線が届きにくいため、親が勉強をサポートしにくいです。 1人で集中して勉強できる子供なら問題ないですが、それなら子供部屋があるのでスタディースペースを作る意味がありません。 また、多くの小学校で教科書の音読を宿題にしていますが、親は子供の音読を聞いて評価する必要があります。そのために時間を割くことが難しいので、普通は夕飯の準備や片付けをしながら聞きますが、この位置では声も聞こえにくくお互いの顔も見えません。 その結果、ダイニングで音読となりますが、それなら他の宿題もテーブルですることになります。 親が趣味や仕事場として使うのであればいいのですが、子供も使う想定であれば、位置を再検討する必要があります。 【改善案】キッチンと連続する理想的なスタディースペースに スタディースペースは、キッチンや家事をする親との関係を考えて配置しないと使えません。実際、配置が悪いためスタディースペースが物置になっている事例をいくつも見てきました。 では、理想的なスタディースペースとは、どのような間取りでしょうか? キッチンから死角にならず、親がストレスなくサポートできることが条件になりますが、1つの解答がキッチンと横並びに配置されたスタディースペースです。 石井さんの間取りは、スタディースペースの他、日当たり・動線など多くの問題があったため、全て作り直しました。 このようにキッチン通路の延長線上にスタディースペースを配置しました。これなら家事をしながら子供の様子がわかってサポートでき、音読する声も聞こえます。また、勉強道具だけでなく食品等の収納としても利用できます。 改善した間取りに住む石井さんに、スタディースペースがどのように使われているかを確認したところ、ご夫婦と長女(9)は使っているが、長男(7)はダイニングテーブルで勉強することが多いようです。 ただ、ランドセルや勉強道具はスタディースペースにおけるので散らかりにくいとのこと。 スタディースペースを作れない場合は、ダイニングテーブルで勉強することを前提として、ランドセルなどの収納場所を、ダイニング回りに確保してもよいですね。