「殺したいくらい嫉妬している」大林宣彦監督も認めた才能
映画・ドラマ界が注目する若きクリエーター、山元環監督インタビュー。原点やこだわりに迫ります! 【動画】痛くてイタい…映像学科の学生たちのリアルな恋の物語
兄は芸人、双子の兄は俳優
――山元監督は、大阪芸術大学映像学科のご出身。高校も芸術系の学科だったとか? 「そうです。大阪府立東住吉高等学校の芸能文化科というところで、1つ上の代にビスケットブラザーズの(原田)泰雅がいました。仲がよすぎて名前で呼んでますけど(笑)、そういう面白い人たちが集まっていました」 ――出身者には、令和喜多みな実の野村尚平さん、ロッチのコカドケンタロウさん、宇都宮まきさん、実のお兄さんで芸人のネコニスズのヤマゲンさん、同期には双子の兄で俳優の山元駿さんなどがいらっしゃって。 「基本的には古典芸能を勉強する学科で、お琴とか三味線、狂言なんかを学ぶんです。で、2年生になると放送の授業を選択できて、渡されたビデオカメラで短編作品を撮るんですけど、それがやりたくて芸能文化科に入りました。ただ、双子の物語を作ろうとしたら、まあ上手くいかなくて(笑)。その悔しさもあって、大阪芸大でスキルを上げようと」 ――当時、影響を受けたもの、人、作品などありますか? 「大阪芸大に行こうと思った最大の理由は『リンダ リンダ リンダ』の山下敦弘監督の母校だから。監督の卒業制作『どんてん生活』という作品を見て、よし行こうと。あとは、豊田利晃監督の『青い春』。THEE MICHELLE GUN ELEPHANTさんの音楽と映像の親和性、リズム感は影響を受けています。この作品を見て、自分も映像の仕事をやってみたいと思いました」 ――大学生活はいかがでしたか? 「バンドの、ヤバイTシャツ屋さんが映像学科の同期やったんですけど、いろんなヤツらがいて面白かったです。あの時がなかったら今の自分はないと思います。今でも忘年会とかあると集まったりはしますね」 ――卒業制作「ゴロン、バタン、キュー」が「PFFアワード2015」審査員特別賞ほか受賞。準グランプリと最優秀役者賞を受賞した「第27回東京学生映画祭」では、審査員を務めた大林宣彦監督が「今、山元くんに対して殺したいくらい嫉妬している」と激賞した逸話も。 「めっちゃ、うれしかったですね。生まれて初めて評価されたので。お亡くなりになる前に表彰式でハグできて、そういう評価をいただいけたことが励みになりました」