北陸 4日頃~山沿い中心に晴れマークでも天気急変か 新たな熱帯擾乱の動向にも注意
8月1日の北陸地方はお待たせの梅雨明けとなりましたが、この先、安定した夏空は長続きしないでしょう。4日頃からの北陸地方には、湿った空気が流れ込みやすくなる見込みです。午前中は晴れていても、日中の気温上昇や湿った空気の影響で、山沿いや山間部・山地を中心に連日大気の状態が不安定となりそうです。屋外レジャーなど外で過ごすことが多いこの時期、急な激しい雨や雷雨、河川の急な増水、落雷や竜巻などの激しい突風等に十分注意してお過ごし下さい。
4日頃~お盆前の10日頃にかけて午後を中心に連日大気の状態が不安定
上空の太平洋高気圧の勢力を表すバロメーターとして、気圧が500hPaとなる輪島上空の高度を見てみましょう。一般に高度が概ね5880メートルに達すると、その地域が夏の高気圧の勢力圏に入ったとされています。 図を見ると、8月1日に梅雨明け(速報値)して、2日に5901m、3日は5913mと予想され、北陸地方は高気圧の勢力圏内となっています。この間は、しっかり高気圧に覆われるため下降気流が卓越、上昇気流がおきにくいために雨雲が発生しにくく、安定した夏空が広がる予想となる見込みです。 ただ、その後は10日頃にかけて、徐々に高度が下がる予想となっています。しっかり高気圧圏内に入らないと、下層に湿った空気が流れ込んだり、上空に寒気が流れ込みやすくなります。更に、日中の気温上昇の影響で、上昇気流が発生すると、雨雲や雷雲が発生しやすくなることがあるのです。 4日以降~お盆前の時期にかけての大気の不安定な状況は、福井・石川の山地、富山の山間部、新潟の山沿いの午後が中心とみられますが、これから先は屋外レジャーのハイシーズンと重なります。急な激しい雨や雷雨、上流部の大雨による河川の急な増水、落雷や竜巻などの激しい突風等に十分注意してお過ごし下さい。万一、山の稜線上で落雷などの不意打ちを食らうとひとたまりもありません。夏山登山では「早出早着」の徹底を心掛けて下さい。
7日頃~日本の南海域はノーガード状態 熱帯擾乱の発生・北上には注意
図は、前述の上空の太平洋高気圧の勢力範囲である5880メートル以上の領域をピンク色として、週間天気図に重ねたものです。一般に、台風などの発達した低圧部は、この上空の太平洋高気圧の勢力範囲では進みにくいとされています。 図のように、この高気圧は徐々に南へ後退する見込みです。7日頃からは、日本の南がぽっかり穴が開いたような状態となり、相対的な低圧部が予想されています。こうなると、仮に台風が発生し北上に転じた場合、それを阻止するシールドが無い言わばノーガード状態になってしまうのです。日本の南の海域は海面水温が30度前後と高いこともあり、今後、熱帯性の低気圧や熱帯擾乱が発生する可能性も出てきます。台風としての発達が無くても、本州付近に暖かく湿った空気を供給し続け、局地的な大雨をもたらすこともありますので、今後の動向には十分注意が必要です。 この時期は、長距離移動をする方も多いと思われます。常に最新の気象情報や道路情報を確認し、無理のない柔軟なスケジューリングをするようにして下さい。