遠藤航惜しい!前半27分にバー直撃弾 リバプール0-1で惜敗、3位転落 クロップ監督「遠藤に疲れが見えた」
◆プレミアリーグ第32節 リバプール0-1クリスタルパレス(14日 英リバプール・アンフィールド) 英国ではプレミアリーグの第32節が前日に引き続き3試合行われ、日本代表主将遠藤航(31)が所属するリバプールはホームでクリスタルパレスと対戦した。遠藤はこの試合もアンカーで先発。前節マンチェスターUとのアウェイ戦で2-2のドローとなり、勝ち点を落としてアーセナルが得失点差で首位を奪取した。またこの試合の前日にマンチェスターCがホームで日本代表DF橋岡大樹が所属するルートンを5ー1で下し、アーセナルを抜いて暫定首位に浮上。このクリスタルパレス戦の直前でリバプールは暫定ながら3位に落ち、激しい三つ巴の優勝争いに加わり続けるには必勝が義務付けられた試合となっていた。 3日前のヨーロッパリーグ戦でショッキングな0-3完敗。遠藤が完敗の後「切り替える」と語って臨んだクリスタルパレス戦。ホームで下位チームとの対戦となり、大勝劇も期待された試合だったが、遠藤は前半45分のプレーで交代となった。しかもまさかの0-1で惜敗という結果でリバプールが今季3敗目を喫するという大番狂せとなった。 前半14分に簡単に先制点を許した。右サイドからの折り返しクロスにクリスタルパレスFWエゼが至近距離で右足を合わせてあっさりゴール。クロップ監督が試合後、「あまりにも簡単に点を与えた」と言って悔やんだが、リバプールの最終ラインの足が完全に止まっていた。 体が重そうなリバプール・イレブンの中、遠藤も苦闘した。前線に出すパスにほんの少しパワーが足らず、相手にカットされた。得意の1対1のシーンでボールを失った。しかしそれは遠藤だけではなく、今季のリバプールの中盤で大きく成長したマック・アリスターの動きも鈍く、効果的なプレーが見られなかった。 しかしそれでも前半27分、遠藤に大きな見せ場がやってきた。苦しみながらも押し込んで奪ったコーナーキックが起点となった。PA内のこぼれ球にターンをしながら至近距離で遠藤が左足を合わせた。 誰もが同点と息を飲んだ瞬間だった。しかしボールは無常にもバーを直撃。このゴールが決まっていれば、日本代表主将が前半だけのプレーで交代することもなかった。 同点、そして逆転を狙ったクロップ監督は、まず遠藤をあきらめ、後半の頭から攻撃的MFソボスライを投入。さらにはジョッタ、ガクポ、エリオットと決定力のあるサブを次々に起用。ところが決定機を作ってもゴールが生まれない。 ジョーンズはGKと1対1のシーンでガラ空きのゴールを外し、ジョッタとサラーの至近距離からのシュートは相手DFに当たってゴールラインを割ることができず、アンフィールドに悲鳴がとどろいた。 試合後、無得点に抑えられた敗戦について「勝つという信念が欠けていたのではないか?」と聞かれたクロップ監督は、信じられない言葉を聞いたという表情を見せると、「信念があったからこそ、あれだけのチャンスを作った」と言って、苦しみながらも21本のフィニッシュを見せたチームをかばった。 しかし「故障から復帰したばかりの選手も多く、ワタ(遠藤)もマカ(マック・アリスター)も連戦の影響があったかも知れない」と話して、シーズン終盤で本調子に足りない怪我明けの主力と、今季新加入ながらレギュラーの座をつかんだ遠藤とマック・アリスターのスタミナ切れを心配した。 この結果、リバプールは首位マンチェスターCと勝ち点2差の3位のままとなったが、この試合の直後に行われたホーム戦でアーセナルがアストンビラにまさかの0-2で負けを喫し、勝ち点を伸ばせず、リバプールと並んだままの2位に一時停止。今季の三つ巴の優勝争いは残り6試合の時点で4連覇を狙うマンチェスターCが主役に浮上し、今後も激しく継続することになった。
報知新聞社