中日内紛劇を検証 井端は間違っていない
交流戦の開幕ゲームで中日にとんでもない内紛が勃発した。対日ハム戦の七回。同点に追いつかれると、高木監督が井端をベンチ内で身振り手振りを交えて叱責、帽子を脱ぎベンチ裏に戻る井端を高木監督が血相を変えて追いかける不穏な展開となった。大事になることを止めようと、選手、コーチらが続いてベンチ裏に入っていく。その緊迫の場面の一部始終が、テレビで映されていたので、それは、YouTubeで流され、この朝は、新聞各社が「内紛劇勃発」と大きく取り上げた。 掛布雅之氏は楽天監督候補だった 終盤の1つのプレーが発端 事件の発端は、4-3で迎えた七回二死二塁から、稲葉にセンター前へ打たれた同点タイムリーのシーン。大島は、ダイレクトでバックホームしたが、同点ランナーは、楽々と生還した。本来ならば、マウンド付近で、カットに入るべき一塁のクラークがそのポジションへの移動に遅れた。大島は、ダイレクト送球を選択したが、高木監督は、それならば「井端がカットに入るべきだった」とベンチ内で叱責、井端が「無理です」と答えたことが、この騒動の原因だとされている。 井端の対応は間違っていたのか では、この場面、本来ならば、カットマンである一塁手が遅れた場合、ショートの井端がカットに入るべきだったのか。 中日で内野守備コーチをつとめ、WBCでも侍ジャパンの内野守備コーチを担当した、内外野の連携についての第一人者、高代延博さんに聞いてみた(最新著書、「侍ジャパンの死角」(角川書店)が6月上旬に出版予定)。 高代さんは、「直接、そのプレーを見ていないので、あくまで一般論だ」と断った上で、説明をしてくれた。 「まず、この場面、セオリーでは一塁手がカットに入りますが、一塁手が動けない場合はチームで誰がカットに入るかを決めておくケースがあります。私が中日時代は、一塁のタイロン・ウッズが動けないので、二遊間がカットに入ることを決めていました。もしクラークが動けないので二遊間がカットに入ると決めてあって、井端がカットしていなければ問題です。でも、コーチの談話などを見ていると、セオリー通り、クラークがカットに入るのがチームのルールだったようですね。この時は、クラークがカットに入るのが遅れたのでしょう」