特攻隊の遺品などを展示「予科練資料館」閉館 貴重な資料は県護国神社へ ゼロ戦のプロペラ移設費用を募る
特攻隊員の遺品などを展示してきた大分市の予科練資料館が5月閉館します。貴重な資料の移設が予定されていますが、戦闘機のプロペラなどの移設費が課題となっています。 【写真を見る】特攻隊の遺品などを展示「予科練資料館」閉館 貴重な資料は県護国神社へ ゼロ戦のプロペラ移設費用を募る 大分市上野丘にある予科練資料館。元特攻隊員だった川野喜一さん(享年95)が1988年に開設した私設の資料館で、特攻隊員の遺書など、全国の遺族らから寄せられたおよそ3000点の戦争資料が展示されています。 (2001年元特攻隊員・川野喜一さん(当時75))「戦争に参加した人が一番悲惨なことは知っている。お前は生き残って慰霊をしろという神のお告げだろうということで私も真剣にこれをやっている」 喜一さんの死後、長男の孝康さん(68)が資料館の管理をしてきましたが、今後、引き継ぐ人がいないため、閉館を決めました。資料は県護国神社が保管してくれることになりました。 (喜一さんの長男・川野孝康さん(68))「私が亡くなって以降のことが見えないものですから、それ以降の流れをある程度作りたかった」 私設の資料館とあって、大型資料の移設費が課題となっています。 (川野孝康さん)「杵築市沖で漁師さんが引き上げたものを寄贈してもらった」 川野さんは零式艦上戦闘機=ゼロ戦のプロペラ2機分と平和を願って建立した「予科練の碑」の移設費用をクラウドファンディングで集めることにー。 目標金額は200万円で、現在50万円ほどが寄せられています。 (喜一さんの長男・川野孝康さん(68))「閉館後も護国神社に来た人が予科練のことを知って、父の思いがまた、伝わっていくのではないか」 元特攻隊員川野喜一さんが戦友の慰霊のために築いた予科練資料館は、5月26日に閉館。思いは県護国神社に引き継がれます。
大分放送