パナソニック HDと九工大、超小型人工衛星を放出 部品などを宇宙空間で技術実証
パナソニック ホールディングス、パナソニック オペレーショナルエクセレンスは、九州工業大学との共同研究で設計・製造を行った3Uサイズ(10センチメートル×10センチメートル×30センチメートル)の超小型人工衛星「CURTIS」を国際宇宙ステーション(ISS)から放出し、「CURTIS」の動作実証、及びパナソニックグループで製造販売している部品やコンポーネンツの宇宙空間での技術実証を開始する。 今回の技術実証の内容は、超小型人工衛星の動作実証と、パナソニックグループで取り扱う部品群が、宇宙空間でも問題なく使えるかを実証するもの。 超小型人工衛星に搭載されたパナソニックグループの車載・5G通信用途向け部品は地上用で、宇宙用途として意識して設計されたものではないものの、特別な改良を加えずに宇宙空間で使えるかを調べる。 パナソニック エナジーの円筒型リチウムイオン電池やパナソニック オートモーティブシステムズの車載カメラ、パナソニック インダストリーの電子回路基板材料が搭載されている。 今回の宇宙空間での技術実証に用いるコンポーネンツはデバイスレベルで宇宙空間での利用を想定した信頼性試験や真空環境での動作試験を完了させており、ISSからの放出後約1年間の運用を通じ宇宙空間での技術実証を行う。 「CURTIS」 は地上用エレクトロニクス機器で培ってきたパナソニックグループの電子機器実装技術と、学術機関としては6年連続世界1位の超小型衛星の打ち上げ実績を誇る九工大の超小型衛星開発力を持ち寄った衛星で、九工大としては28機目の人工衛星となる。 衛星開発には、パナソニックグループの技術者と九工大の教員・スタッフ・学生が参加。衛星は4月11日にISSから無事放出された。
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