【備え】警固断層の大地震で天神では3万3000人の「帰宅困難者」を想定 商業施設でどう受け入れる 福岡
FBS福岡放送
福岡市・天神の商業施設で、地震によって多くの人が帰宅困難者となった場合を想定した訓練が行われました。天神地区の帰宅困難者はおよそ3万3000人と推計されていて、こうした人を一時的に受け入れる施設の整備が進められています。
■中村安里アナウンサー 「ソラリアプラザの1階では、段ボールベッドや待機スペースとなるテントが組み立てられ、仮設の避難所ができています。」 10月29日、福岡市・天神にあるソラリアプラザで行われた訓練には、天神の街づくり団体に加盟する企業や施設のほか、福岡市の関係者などおよそ70人が参加しました。訓練は、最大震度6弱の地震が発生した想定で行われました。 ■参加者 「体調がすぐれない方を、要介護スペースに案内をお願いします。」 隣接する警固公園に避難してきた帰宅困難者を受け入れるという想定で、運営本部の開設や段ボールベッドなどの組み立てが行われました。 ■参加者 「やったことがないので、合っているか分からない状況でやらないといけないのが難しいですね。実際にどうすればすぐ動けるかとか実際にやってみて分かるので、とても勉強にも参考にもなります。」
最大震度7を記録した2011年の東日本大震災。首都圏では、交通機関が止まり帰宅困難者はおよそ520万人にも上りました。 福岡市によりますと、平日の日中に警固断層を震源とするマグニチュード7.2クラスの大地震が発生した場合、天神地区ではおよそ3万3000人が帰宅困難者となると推計されています。 そのため、福岡市が整備を進めているのが、帰宅困難者を一時的に受け入れる「一時滞在施設」です。ソラリアプラザもその一つで、595人の受け入れが可能です。
訓練で設営された「一時滞在施設」を見学した人に話を聞きました。 ■見学した人 「こんなふうな感じなんだなって初めて知りました。便利だと思います。」 「安心感を得ました。トイレが一番心配だったんですよ。トイレが個室っていうので安心しました。」 ■We Love 天神協議会・荒牧正道 事務局長 「天神エリアは今後、どんどん開発が進みます。街に来る人も働く人も増えます。安全安心に働いていただきたい、安全安心に来ていただいて楽しんでいただきたいというのがありますので、そこを下支えさせていただきたいなと考えています。」 天神の街づくり団体では今後も、地域や行政と連携しながら、災害に強い街づくりを目指したいとしています。
災害が発生した際に行き場のない帰宅困難者を、公共交通機関が復旧するまでの間、一時的に受け入れる「一時滞在施設」は、天神地区では今回、訓練が行われたソラリアプラザのほか、福岡大名ガーデンシティ、警固神社の社務所など11か所です。この11か所でおよそ1万5000人を収容できます。原則として福岡市が民間事業者に依頼して開設されます。 ただ、推計の帰宅困難者3万3000人には対応できていないため、福ビル跡地に2025年4月に開業する「ワン・フクオカ・ビルディング」なども「一時滞在施設」としての利用を検討しています。 ※FBS福岡放送めんたいワイド2024年10月29日午後5時すぎ放送