美食にバーカルチャー、さらにはアートまで。進化しつづける都市、香港の今に迫る!
東京から飛行機でおよそ5時間。日本との時差はわずか1時間。行きやすくて時差もほぼない香港が、今、より充実した都市へと変貌を遂げている。世界有数の美食はもちろん、アジアを代表する勢いのアートや盛り上がりを見せるバーカルチャーなど、香港の魅力や行くべき理由を3回に分けて紹介する。 【画像】もっと写真を見る(13枚) 香港で外せないのが美食だが、その最新トレンドがわかる人気イベントが、毎年秋に開催される「香港ワイン&ダイン・フェスティバル」だ。 今年は10月23日から27日までの5日間にわたり、ビクトリア・ハーバーを望む香港島のセントラル・ハーバーフロントで行われた。 イベントには、35の国と地域から300を超える料理やワイン、ウイスキー、カクテルなどの屋台が出店。カジュアルなものから最高級のものまでが勢ぞろいするほか、イベントやワークショップ、音楽ライブなども行われるなど、さまざまな角度から香港のグルメシーンを盛り上げる、いわば美食の祭典なのである。 さらに11月末まではテイスト・アラウンド・タウンと名付けられた関連イベントが香港全域で開催。参加する香港内の数百のレストランやバーで、期間限定メニューが提供されたり、限定割引が行われた。 イベントの内容がバラエティに富んでいて、なおかつ盛りだくさんだからこそ、自分に合った楽しみ方ができる。そんな懐の深さが「香港ワイン&ダイン・フェスティバル」の最大の魅力だ。ワインなど特定のジャンルにフォーカスするのもいいし、食べ歩きするのもあり。国や地域を絞って攻めてもよい。 例えば、ワインをはじめ、ウイスキーやテキーラ、日本酒など世界各地のアルコール飲料を幅広く飲みながら、味わいの違いや時にはお国柄まで感じてみる。語学が堪能なら、出店者と直接会話を交わすことで、より多くの情報や気づきを得ることができるだろう。 ワインだけに限っても、フランスをはじめ、イタリア、アメリカ、チリ、オーストラリア、ジョージア、タイ、英国、中国などのワイナリーやメーカーが出店。気になるものを試飲しながら、自分好みの銘柄を探し歩くのもありだ。 地元の香港や中国だけでも寧夏、雲南、山東などのワインや、国賓の晩餐会で使用される貴州白酒、若い醸造家が生み出すビールや蒸留酒など話題も豊富。エリアを限定して巡ることで、地域の特徴やトレンドが際立ってくるからおもしろい。 食に集中して、世界各地のローカルフードを楽しむのもありだ。メキシコのタコスやフランスのエスカルゴ、アルゼンチンのチョリソーのサンドイッチなど、それぞれの地域を代表するフードがそろっている。 また、普段なかなか手が出ない高価なワインやウイスキー、フードなどを手軽に味わえるのもたまらない。干し鮑や松葉ガニ、フォアグラなど高級食材を使った名店の料理を屋台感覚で食べ比べられるのは「香港ワイン&ダイン・フェスティバル」ならではの楽しみ方だ。 好みのワインを片手に世界中のデザートを満喫するなんていう、甘いもの好きにとって至福の時間を過ごすことも。 会場には音楽フェスのような巨大なステージも登場。毎日複数のアーティストが次々とライブを行い、場内に熱気を生み出していた。メインステージ以外の場所にもスモールステージが設置され、ワインと食事と共にストリートミュージックを楽しむことができた。ほろ酔い気分で聴く音楽が最高に心地よい。 お酒や料理についてより深い知見を得たり、新たなおもしろさを発見できる料理教室やワークショップも充実している。例えば、マスター料理教室では、シェフが豚肉のキャラメリゼ、白トリュフ、スクランブルエッグを添えた酢豚の調理を実演したり、ホテルのエグゼクティブシェフやスターシェフが、カクテルに合わせたチャーシューなど予想外のペアリングを披露。世界で活躍するソムリエがアルゼンチンワインのユニークな魅力を紹介するコーナーも。 「香港ワイン&ダイン・フェスティバル」は、アジアを代表する美食の街、香港の魅力や奥深さを目の当たりにできるイベントであり、なにより飲んで、食べて、ライブやワークショップまで体験できる、グルメを軸にした最高のエンターテインメントだった。 気になる方は2025年以降の「香港ワイン&ダイン・フェスティバル」をお見逃しなく! 香港ワイン&ダイン・フェスティバル 香港政府観光局 取材協力:香港政府観光局 Photo & Text:Hiroya Ishikawa
朝日新聞社