イスラエル、イラン報復計画詰め急ぐ-首相私邸への無人機攻撃で
(ブルームバーグ): イスラエルのネタニヤフ首相は20日、自身の私邸を標的としたとみられる親イラン民兵組織ヒズボラのドローン(無人機)攻撃を踏まえ、安全保障担当の側近らと相次ぎ会合を開催し、イランへの報復攻撃を協議した。
19日に発生した攻撃では、ヒズボラの無人機がイスラエルの防空システムを突破し、ネタニヤフ氏の私邸の隣で爆発した。事件当時、ネタニヤフ首相夫妻は不在で、負傷者はいなかった。
イスラエルでは、今回の正確な無人機攻撃を受けて驚きが広がっており、報復が正当化される新たな理由となると首相と閣僚らは話している。
カッツ外相は19日夜、「レッドラインを再び越えたことは間違いない」とチャンネル14で発言。「我々はイランが脅威をもたらせないよう打ち負かす必要がある」と続けた。イランは関与を否定している。
イスラエルは、イランが自国に向けて約200発の弾道ミサイルを発射して以降、3週間にわたり報復計画を検討している。大方の想定以上に時間がかかっている背景には、米国とイスラエルの間で調整が行われていることがあるとみられている。米国はイランのエネルギー施設や核施設を標的にしないようイスラエルに強く要請。一方で、イランが反撃に出た場合に備えて、イスラエルに高度な弾道ミサイル防衛システムを送っている。
週末にはイスラエルの対イラン報復計画の一部が詳述された米国防総省の文書が流出したとみられる問題が発生。流出の真偽は確認されていないが、イラン寄りの組織がテレグラムに投稿した。
イスラエル首相府は20日、米国の助言を考慮するが、イスラエルは自ら決定を下すと述べた。決定がいつ下されるか、報復がいつ行われるかは不明。
一方で、イスラエルの国内情報機関シンベットのロネン・バル長官はエジプトを訪問し、イスラム組織ハマスとの停戦交渉再開の見通しについて話し合った。イスラエル政府高官が語った。
原題:Israel Hones Plans to Attack Iran After Attempt on Netanyahu (1)(抜粋)