川和がクレバーな守備で慶應義塾の猛攻を零封し3回戦へ進出
第103回全国高校サッカー選手権神奈川予選2次予選2回戦が行われ、慶應義塾と対戦した川和が2-0で勝利を収め3回戦進出を決めた。 【フォトギャラリー】川和 vs 慶應義塾 この試合が初戦となるK1リーグ所属の慶應義塾は、開始早々の1分、左サイドからFW11黒田英一がドリブル突破からファーストシュートを放ち、一気に主導権を握りにかかる。 しかし、4分、川和は左サイドからPAに侵入を図ったFW9佐藤晄斗が倒されPKを獲得。これを「自分を信じて(PKを)取ってくれた仲間の思いも込めて蹴りました」というキャプテンのDF10佐藤瑛太がキッチリとゴールに右隅に沈め先制する。 予期せぬ展開となった慶應義塾は、すぐさま反撃に出ると8分にはポストに入ったFW10阿部雄大が叩いたボールをDF5柳川侑作がミドルシュートを放つが枠外へ。続く10分には、MF8小野海翔、15分にはMF7矢谷凛之介がシュートに持ち込むがいずれもGKの正面を突いてしまう。それでも何とか試合を振り出しに戻したい慶應義塾はクーリングブレイク明け早々に獲得したCKから最後は黒田が押し込むが、このプレーがファールの判定となりノーゴール、絶好のチャンスを逸してしまう。 すると35分、川和はリスタートの流れから右サイドでボールを受けたFW6吉廣拓巳の逆サイドへのクロスをFW14松村侑耀が決めてその差を2点に広げ前半を折り返す。 早く1点を返して流れを奪いたい慶應義塾は後半もスタートから猛攻をかけるが、川和のDF陣が中心となって前線を含め全員が無理をしないクレバーな守備でこれを阻止、さらにGK12馬塲快がキッチリとゴールに蓋をして流れを渡さない。加えて随所で見せる鋭いカウンターも手伝い、その後も慶應義塾の反撃を許さず、結局このままタイムアップ、川和が格上の慶應義塾を2-0で抑え込み、見事に3回戦進出を勝ち取った。 試合後、川和・岡野亘監督は「選手が一致団結して同じベクトル向いて、出られない仲間のために試合に出る出ない関係なく『チーム川和』として勝つことができました。保護者の皆さんを含めてみんなの力だと思いま。」と喜びを噛み締めた。次戦に向けては「慢心することなく、この子たちはずうっとチーム発足時からベスト8が目標と言ってきているので、もう相手というよりは自分たちでいい準備をして、仲間のために、支えてくれている人たちのために一戦一線戦えれば自ずと結果が見えてくると思います」と力強く語った。 キャプテンの佐藤瑛太は「序盤に幸先よく2点取ることができて、プラン通りではなかったですが、全員で身体張りながらチームが一つになって守って無失点で終えることができました。第一の目標のベスト8を目指して、しっかり準備して、先ずは次の試合チーム一丸となって戦っていきたいです」と試合を振り返り、次戦への意気込みを語った。2点目のゴールを奪った松村は「勝てて嬉しいです。目標ですか?全国行きたいです(笑)。自分は大阪出身になので(友達のいる)大阪のチームとやってみたいです」と笑顔を見せた。また試合を通して的確なコーチングと安定したセービングを見せた馬塲は「キーパーを始めて1年ちょっとで技術的な部分では劣るところがありますが、そこをメンタルで補って、自分が声で引っ張ってチームを鼓舞することを意識して試合に臨みました。3年生とやれる時間を大事にして強い気持ちを持って勝ち続けていきたいです」と胸に何度も手を当て力強く話した。 (文・写真=西山和広)