迫る会期末 規正法改正案の参院審議は綱渡り 想定外一発でOUT
自民党派閥のパーティー収入不記載事件を受けた政治資金規正法改正案の審議の舞台が7日、参院に移った。今国会の会期末が23日に迫る中、衆院側の採決延期などの混乱もあって審議日程は極めて窮屈だ。新たに想定外のトラブルが発生すれば会期延長を余儀なくされる展開も予想される。成立を託された参院自民は綱渡りの国会運営を強いられそうだ。 【時系列で見る】政治資金規正法改正を巡る経過 改正案は衆院政治改革特別委で自民案の修正を巡り採決が2度延期された後、6日に参院へと送られた。当初、参院自民は14日にも成立させるスケジュールを描いていたが、衆院通過が遅れたことで最終盤の19日を軸に成立を目指す方針だ。 衆院政治改革特別委では岸田文雄首相(自民総裁)が出席しての質疑なども含め、審議に約13時間を割り当てた。参院政治改革特別委でも同程度の時間を確保する見込みだ。自民の松山政司参院幹事長は4日の記者会見で、改正案に関し「出口を預かる参院として、会期内に成立させたい」と強調した。 ただ、残された時間は多くない。23日は日曜日のため、実質的な会期末は平日の21日となる。衆院では立憲民主党や共産党などが抜本改革に程遠いと改正案を批判しており、参院でも追及する構えを崩していない。 また、政府与党に新たなスキャンダルなどの問題が浮上すれば、野党側は追及の好機だとみて会期延長に追い込もうと考える公算が大きい。参院自民幹部は「新たに何か起きれば日程は一気に苦しくなる」と述べ、最悪の場合は土日も利用する意向を示した。 一方、衆院憲法審査会で改憲案作りの機運が高まる中、自民の石井準一参院国対委員長は4日、早期の憲法改正よりも法案審議を優先する認識を示した。 自民は参院で単独過半数に届いていないため、改憲に後ろ向きな立民などの不満を抑え、改正案や残る政府提出法案の成立に万全を期す狙いがあるとみられる。 ただ、「党是」である改憲よりも優先した改正案などの会期内成立でつまずくことがあれば、自民党員や支持者の不満は参院自民に向かうことは避けられない。(永井大輔、今仲信博)