身体に石ができたら?…夏に忍び寄る激痛の恐怖「尿路結石」原因と予防法
怖さは痛みだけでなく再発も!一度完治しても油断禁物
尿路結石は、1度発症すると原因となる食事を控えなければ、5年で約50%、10年で約70%の人が再発すると言われています。そのため、食生活の乱れがある人は要注意だそうです。
痛みのない恐ろしい尿管結石「サイレントストーン」
サイレントストーンとは、尿管に石が詰まっているにも関わらず、痛みや血尿をほとんど起こさない石の事。過去にできた結石により尿管が広くなっていたり、石の表面がつるっとしていたりすると、痛みや血尿が出ない場合があるそうです。しかし、症状がないからと放置していると詰まった石が大きくなり、尿管を塞いで知らない間に排尿量が減少する可能性があるのだとか。すると、腎臓内に侵入した細菌や老廃物を洗い流せなくなり腎臓の機能が低下。腎不全という命に関わる病気を発症しかねないそうです。
身体に石ができた場合の対処法
<排尿時に石を出しやすくする運動> 先生によると、身体に石ができた場合は縄跳びやジャンプをしたり、下り階段をトントンと元気よく下ったりして、石が膀胱に落ちていくようなイメージで運動を行うと良いとの事。ただし、この方法で出てくるのは1cm前後の比較的小さな石だそうです。 <大きな石の治療法 身体に優しい「ESWL」> 「ESWL(体外衝撃波結石破砕術)」とは、特殊な機械を使って体外から衝撃波を当て大きな石を小さく砕く治療法。砕かれた石は、尿管を通って膀胱から尿道を通り出てくるそうです。
尿路結石の予防法
<シュウ酸を多く含む食材> 尿路結石を防ぐには、石を作る原因となる「シュウ酸」に気をつける事が大事だそうです。食材100gあたりのシュウ酸の含有量は下記の通りです。(※シュウ酸ははかり方によって含有量が異なる場合があります。) ・ホウレン草800mg ・タケノコ654mg ・バナナ500mg ・レタス300mg ・ブロッコリー300mg ・ナス200mg ・カブ50mg ・コーヒー33mg <先生直伝!石を作らないための食事法(1)茹でる> シュウ酸は、お湯に抜けていく性質があるそうです。徳島県・鳴門教育大学の研究によると、茹で時間によるホウレン草のシュウ酸の含有量は、10分の間減っていくというデータがあります。一般的に調理の際に行う茹で時間の30秒では、シュウ酸の含有量にほぼ変化はありませんが、3分間茹でるとシュウ酸の含有量は54.1%にまで減少。この時間であれば、ホウレン草の風味や食感をあまり損なわず美味しく食べる事が可能だそうです。 <先生直伝!石を作らないための食事法(2)カルシウムを加えて食べる> 先生によると、シュウ酸を多く含む食材を食べる時は、カルシウムを加えて食べるのが良いとの事。石はシュウ酸とカルシウムが結合してできますが、大事なのはこれらがどこで結合するかにあるそうです。体内に入ったシュウ酸は、小腸でカルシウムと結合すれば便として排出されますが、シュウ酸が多すぎるとカルシウムと結合できず体内に吸収され腎臓へ運ばれてしまいます。すると、腎臓にあるカルシウムと結合し結石になってしまうのだとか。そのため、シュウ酸もカルシウムと一緒にバランス良く摂取すれば、小腸で結合し便として排出されるので尿路結石の予防につながるそうです。 <先生おすすめ!石を作らないための食べ合わせ> 先生によると、ホウレン草のおひたしには、カルシウムを含むシラスをのせて食べるのがおすすめ。他にも、レタスは海苔と合わせてサラダにしたり、バナナにはヨーグルト、コーヒーや紅茶は低脂肪の牛乳で割ったりすると良いそうです。 <先生おすすめの運動法> 尿路結石を予防するには、食事とともに運動もあわせて行う事が大切だそうです。ポイントは、骨がカルシウムからできているという事。骨は負荷をかける事によって、骨を作る骨芽細胞が活発に働きます。すると、身体にあるカルシウムを集めてより強い骨を作ろうとしますが、運動量が少ないと骨を壊す破骨細胞が活発になりカルシウムが溶け出してしまうのだとか。結果、腎臓内のカルシウムが増えシュウ酸と結合しやすくなってしまうそうです。先生のおすすめは、足の骨に負荷をかけるウォーキングなどの有酸素運動。まずは1日10分、慣れてきたら1日8000歩を目指しましょう。 <尿の我慢は石を作りやすい!?> 尿を我慢すると、尿が停滞して結晶を作りやすくなってしまうそうです。そのため、尿の我慢はNGなのだとか。今回ご紹介した食事法や運動法も取り入れて、尿路結石を予防しましょう。 (2024年7月28日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)
CBCテレビ