朝ドラ異例の続編「ひよっこ2」 ヒロイン有村架純の成長に注目
有村架純が主演するドラマ「ひよっこ2」(NHK総合、19時30分)が25日から4夜連続で放送される。2017年に放送された連続テレビ小説(朝ドラ)「ひよっこ」の続編だが、今回は1話30分の全4回。朝ドラでスピンオフではなく続編が作られるのは珍しく、有村をはじめ懐かしいキャストが再び集結するという。前作以降、着実に女優としてステップアップしてきた有村が、代表作ともいえる作品の続編で成長ぶりを見せてくれるか。
さまざまな登場人物のその後が楽しみ
「ひよっこ」は、昭和30年代後半からの高度経済成長期を舞台に、茨城県の山間にある架空の村「奥茨城村」から集団就職で上京してきた谷田部みね子(有村)と、家族や周囲の人々との絆を描くオリジナルストーリー。全編を通し温かく微笑ましい雰囲気を醸し出しながらも、東京へ出稼ぎにきた父(沢村一樹)が記憶喪失から失踪するなど、山あり谷ありの展開に毎朝テレビにくぎ付けになった視聴者もいるのでは。 脚本の岡田惠和氏が「一度、有村さんでドラマを書いてみたかった」と、有村はオーディションなしでヒロインに抜てき。最初から有村が演じることを想定して書かれたみね子の人物像やセリフは当然ながらフィットしており、朝ドラならではの豪華なキャストがそろう中、ヒロインの大役を果たしたことは自信につながったことだろう。 「ひよっこ2」は、前作から2年後となる1970年が舞台だ。沢村をはじめ木村佳乃、和久井映見、佐々木蔵之介ら懐かしいキャストが次々と登場する。みね子とヒデ(磯村勇斗)の新婚生活や、みね子の故郷・奥茨城村の人々、赤坂の洋食屋「すずふり亭」はもちろんのこと「乙女寮」の乙女たち、シシド・カフカ演じる早苗、やはり前作後に一躍ブレークした竹内涼真が演じる島谷など、さまざまな登場人物のその後がわかるのは楽しみだ。
成長した有村が成長したみね子をどう演じるか
そんな中でもヒロインには自然と注目が集まるが、有村の女優としての成長ぶりをしっかり感じさせたのが昨秋に主演した民放の連ドラ「中学聖日記」(TBS系)だ。有村演じる新任教師の末永聖が教え子と恋に落ちてしまう展開が、ネットなどで大きな話題になった。相手役は演技経験のない新人・岡田健史だったが、有村はキスシーンなどでも岡田をリード、せつない“禁断の恋物語”を盛り上げた。 もともと2013年の「あまちゃん」で小泉今日子演じる主人公の母親の若かりし頃を演じブレークしただけあって、NHKの朝ドラは有村にとってある意味、勝手知ったるホーム。一回り役者として成長し、戻ってきた感がある。「ひよっこ2」は同じみね子という役柄ながら、前作から結婚して2年経っている設定であり、その2年後のみね子を有村がどう見せてくれるだろうか。 (文・志和浩司)