日本じゃ考えられない韓国の〝先進〟ペット事情 この作品が今、公開されることの意味 映画「DOG DAYS 君といつまでも」
【坂上忍の白黒つけて何が悪い】 普通に面白い映画でした。 ただ、普通にです。 ですが、動物好き、ワンちゃん好きの方には、それなりにたまらない映画かと。 ただ、あくまでもそれなりにです。 なんか、感じが悪い言い方ですよね。 でも、それ以上でも以下でもないので、他に言いようがないのです。 自宅の1階を動物病院に貸している中年の男は、実は動物嫌い。 犬の糞や餌皿が置きっぱなしになっていることに対して、怒りをぶちまける。 しかしある時、勤め先の不動産会社で担当していた大型リゾート開発案件のプレゼンで、企画を通すために思いつきで言った言葉は、「ペットと一緒に寛げるリゾートホテル」だったのである。 とまぁ、動物嫌いの男が動物好きの人々と触れ合うことによって子供の頃を思い出し、徐々に動物への愛情を取り戻していく物語でして、王道といいますか、わかりやすいストーリーといいますか、当然ハッピーエンドの結末なのですが…。 ただ、わたしは多少動物関係に詳しく、本作が製作された韓国の動物保護状況なども把握しているので、この作品が今、公開されることの意味合いみたいなモノが、よくわかるんですよね。 韓国は日本同様、少子化が進み、社会問題となっています。一方でペットの需要は右肩上がりに伸びています。 要するに2人目、3人目の子供を産むには経済的に不安がある。 ならばペットを飼えば子供の教育にもつながるし、命あるものを育てることに変わりはないのではないか? といった考えを持つご夫婦が増えているのです。 で、ここからが日本と韓国との違いでして、日本ならば「いやいや、ペットは将来的に納税してくれるわけではないので、やっぱり人間の子供を産みません?」的な一本調子な推奨の仕方だとするならば、方や韓国はペットを「伴侶動物」と命名し、人間と同等の家族として迎え入れましょう! というキャンペーンを全国的に展開しているのです。 ただ、それだけだと、ペットショップの回し者かと言われかねないのですが、同時に殺処分ゼロを目指して動物保護団体に結構な助成金を出しているんです。