大谷翔平

「ドジャース4―9フィリーズ」（7日、ロサンゼルス） 　ドジャースの大谷翔平選手が「1番・指名打者」で出場し、5打数無安打。2試合連続ノーヒットを喫した。チームは序盤の3点リードを守り切れずに逆転負け。ロバーツ監督が三塁塁審判定に対する猛攻撃で退場処分を受け、その直後に逆転される後味の悪い試合となった。 　ドジャースは2連敗でリーグ頂上対決は1勝5敗。ナ・リーグ西地区首位の座を守っているが、この日ともに4連勝を飾ったパドレスとダイヤモンドバックスが3ゲーム差に迫っており、独走状態から一転、混戦の空気が漂い始めた。 　プレーオフ前哨戦とも言えるナ・リーグ勝率1、2位の頂上対決。同1位のフィリーズに対し、ドジャースは7月の敵地3連戦で屈辱の3連敗。今回の本拠地3連戦はここまで1勝1敗。今季最終対決は負けられない試合だったが…。 　大谷の初回の打席は二ゴロ。初顔合わせの右腕フィリップスに対し、初球の内角150キロ直球を空振りした後、内角低めの130キロカーブを引っ掛けた。一塁に入ったハーパーがベースを踏む際に転倒し、一度はセーフと判定されたが、敵軍ベンチがビデオ裁定を要求した結果、判定は覆った。本拠地にブーイングが起こった。 　1点リードの二回無死一、二塁の好機は進塁打となる一ゴロ。初球の低めカーブをファウルにした後、内角150キロ直球を捉え切ることはできなかったが、走者を二、三塁へ進めた。2死から3番フリーマンの2点適時打でリードを3に広げた。 　4―1の四回は二飛。ファウル、ボールの後に低めのボールになるカーブを空振りして追い込まれ、4球目のカーブをファウル。4球目、見逃せばボールの内角直球に詰まらされた。打球音はバットが折れたような鈍い音だった。 　本拠地に大ブーイングが響き渡ったのは、1点リードの六回の守備だ。無死二塁の場面で敵軍マーシュのバント打球を処理した三塁K・ヘルナンデスが三塁ベースカバーへ走り込んだ遊撃ロハスへ送球。ロハスのグローブが走者の足に触れたかに見えたが、三塁塁審はロハスが二塁走者の走路を妨害したとしてセーフをコール。ロハスの猛抗議を見て、ベンチから飛び出した指揮官は三塁塁審に激しく詰め寄ると、退場を宣告された。 　直後に3番手でマウンドに上がったケリーが崩れて逆転。一転、4点を追う苦しい展開となった。 　大谷は4点を追う七回無死一塁の反撃機に遊ゴロ。代わったばかりの3番手左腕アルバラドに対し、外角カットボールを空振りした後、外角低めのボールになる151キロカットボールを打ち損じた。 　5点を追う九回無死一、二塁の絶好機は三邪飛。5番手右腕マルテがワンボールから投じた甘く入ったスライダーを高々と打ち上げた。 　この日の大谷は試合前のフィールドで2日ぶりにキャッチボール。終盤には声を上げながら力強いボールを投げ込んだ。