滋賀知事「再犯防止、法務省や関係機関と連携」 大津の保護司殺害事件
大津市の住宅で保護司の新庄博志さん(60)が殺害された事件を受け、滋賀県の三日月大造知事は11日の定例記者会見で「保護司を保護観察の対象者が殺害したとして逮捕された。衝撃は非常に大きなものがある」とし、「更生保護、再犯防止の取り組みに停滞や後退がないように法務省や関係機関と連携していく」と述べた。 【画像】「恨み買う人ではない」「やりきれない」…殺害された保護司の新庄博志さん 新庄さんは平成18年、保護司に委嘱され、昨年度から始まった医療、教育、福祉などさまざまな分野の人が保護司と連携して対象者の生活を支える「滋賀KANAMEプロジェクト」の設立に向け、中心的な役割を担った。 県内では令和3年度に保護司に対するアンケートを実施しており、いずれも半数以上が対象者を担当することに不安を感じていたり、保護観察後の対象者の今後に不安を感じていたりするなどの結果となった。 また事件を受け、法務省は全国50カ所の保護観察所による保護司への聞き取り調査を行うとしている。 三日月知事は会見で、これらの動きも踏まえ「どういう対応をとるべきか、担当者と協議をしていく」と話した。 県内の保護司は、高齢化やなり手不足により、昨年1月時点で488人と、定員の498人を下回っている。法務省は有識者による検討会を立ち上げ、新任委嘱時の上限年齢を撤廃することや、報酬制導入による待遇の改善などについて協議している。