【高校野球】夏の甲子園へ向け北北海道・旭川、十勝地区、南北海道・小樽地区の組み合わせが決定
第106回全国高校野球選手権大会の北北海道・旭川、十勝地区、南北海道・小樽地区の組み合わせが12日、決まった。5年ぶりの甲子園出場を目指す北照は26日の初戦で小樽桜陽と対戦する。投手二枚看板の一人、田中太晟投手(3年)は10種類の球種を操る技巧派右腕。高いゲームメーク力を発揮し、頂点を目指す。 エースの座は譲らない。北照の“魔術師”田中は「自分がエースじゃない姿は見たくない。仲間にも田中がエースだと認めてもらえるような投球をしたい」と腕をまくった。 元G戦士直伝のトレーニングで鍛えた指先の強さが持ち味だ。中学では巨人など3球団で活躍した前田幸長氏(53)が会長を務める都筑中央ボーイズでプレー。前田氏から教わった重さ5キロのダンベルを指先だけで持ち上げる練習を今でも続けており「球数をどれだけ投げても疲れない」。同時に器用さも磨かれ、球種は10種類。多彩な球種をコーナーに投げ分ける制球力も武器だ。 高校での公式戦初登板は入学直後の春季全道大会。同学年の投手で最速デビューし、絶対的エースへの道を歩むはずだったが、最速147キロ左腕・高橋幸佑投手(3年)が最終学年を前に急成長した。U18日本代表候補にも選出され「仲良しですけど、高橋がマウンドにいるのは悔しい。ライバルとして刺激を受けます」と切磋琢磨(せっさたくま)を続けている。 夏の甲子園は、2年連続で出場した19年が最後。道大会では昨夏から3季連続初戦敗退と苦戦が続いているが「『自分が投げれば勝てる』。それくらいの気持ちで投げたい。自分が夏の甲子園に連れて行きます」。神奈川県出身の最速140キロ右腕が、小樽の名門を5年ぶりの聖地へと導いてみせる。(島山 知房)
報知新聞社