後ろ倒しの就活解禁、内定のデッドラインはいつ頃? 株式会社ディスコ キャリアリサーチ・武井房子
1.スケジュール変更とマーケット感(今年はさらに企業の採用意欲が旺盛に)
2016年春卒業予定者の採用活動が3月1日に解禁となり、大学生らの就職活動が本格的に始まりました。今年からスケジュールが大きく変わり、これまで4月だった選考解禁は8月に繰り下がります。就活生の皆さんは、企業の選考がいつ頃始まって、いつ頃内定が出始めるのか、といった「実際のところ」が気になることでしょう。そこで、私が所属する株式会社ディスコの企業調査や学生調査の結果を基に、内定出しのタイミングをシミュレートしたいと思います。
まず押さえておきたいのはマーケット感です。当社の調査では採用数を増やすという企業は5年連続で増えています。特にここ1~2年は人手不足感から企業の採用意欲は非常に高く、マーケット全体を見れば売り手市場と言えます。 ただ、そこに大幅なスケジュール変更が加わり、「スケジュールに合わせて時期を遅くしたら予定数を採りきれないのでは」と不安感を募らせる企業が非常に増えています。企業側にも戸惑いがあり、他社の動きを見ながら臨機応変に進めざるを得ない。そして学生の側は、その企業の模索に合わせて動かないといけないので、そういう意味では非常に難易度の高い就職戦線です。
2.企業の選考スケジュールはこう変わる(今までとは違う選考スケジュール)
3月に入った途端、就職情報会社主催の合同企業説明会や、学内セミナーが真っ盛りです。そうした場では、どうしても社名を聞いたことのある大手企業に足が向いてしまいますよね。でも、皆がそうした大手企業に入れるわけではありません。各社が就活シーズンに発表する就職人気ランキングの上位100社を見てみると、採用人数の合計は多くても3万人程度です。就活生は60万人を超えるので、単純に割ってみても競争率が20倍という、とても狭き門なのです。 昨年までは、大手企業の多くは4月に面接を開始しました。就活生はまず大手の選考を受け、思うような結果が得られなかったら5月に準大手や中堅企業に目を向け始める。そこでも自分に合う企業に出合えなかったら6月、7月と、10月の正式内定までにはチャンスがたくさんありました。ところが、今年は大手企業の選考は8月です。もしもそこで内定を得られなかった場合、10月までに残された時間はわずかです。