【日本ハム】“竜への恩返し”移籍後初勝利の山本拓実「不思議な縁」郡司裕也「複雑な感情あった」
古巣との対戦となった3人が“竜への恩返し”を果たした。「日本生命セ・パ交流戦」の中日戦で、日本ハム山本拓実投手(24)が、昨季途中のトレード移籍後初勝利を挙げた。一緒に加入した郡司裕也捕手(26)も、6回に逆転への口火を切る左前打を放つと、7回には右前適時打。さらに22年オフに中日を自由契約となり、日本ハムに移籍したアリエル・マルティネス捕手(28)も決勝打を含む2安打4打点。チームは4カードぶりの勝ち越しで、貯金を7に増やした。 ◇ ◇ ◇ 山本拓と郡司は、ベンチに並んで勝利の瞬間を見届けた。6回に3番手でマウンドに上がり、1イニングを無失点、移籍後初勝利の山本拓は「自分を育てていただいた球団。不思議な縁があるんだなと。野球の神様っているんだなと思いました」。2安打1打点の郡司も「複雑な感情はありましたけど打てて良かったなと思います」と振り返った。 昨季の交流戦後にトレード移籍した2人には初の古巣との対戦。山本拓は今カード前、ソフトバンクから移籍した田中正や、オリックスから加入の山崎に、元同僚と対戦した感想を聞いた。「『どうしても力が入ってしまう』と(言っていた)。そういう中でもしっかり投げようと思いました」。新外国人ディカーソンを左飛に打ち取ると、前巨人の中田には左前打を許したが、自身と入れ替わりで加入した宇佐見を三直。最後は前阪神の山本を空振り三振。「在籍が被った選手がいなかったので思ったより大丈夫でした」。“古巣感”のない打者が相手だったことも幸いした。 11日の試合後は、山本拓、郡司と中日橋本、清水、高橋宏で食事に出かけた。山本拓は「いろんな話もできましたし、チームは変わりましたけど、プレーしている姿を見て、自分ももっと頑張ろうという気持ちになりました」。郡司は今カード初戦無安打も、会食後の2戦で4安打(1本塁打)2打点。「初日むちゃくちゃ悔しかったですけど、切り替えて結果残せて良かったです」と雪辱を果たした。 山本拓は移籍初勝利の記念ボールを「結婚して初めて勝ち投手になったので、帰って妻に渡したい」。いろんな意味で思い出の詰まった、4カードぶり勝ち越しとなった。【永野高輔】