<太田垣康男>初のファンミーティング 「機動戦士ガンダム サンダーボルト」制作秘話 「ダグラム」を描く理由
◇“俺が考えた最強ガンダム”描く
2012年には「ビッグコミックスペリオール」(小学館)で「機動戦士ガンダム サンダーボルト」の連載をスタートした。太田垣さんは「MOONLIGHT MILE」を連載中だったが、「当時、ツイッター(現X)でガンダムの落書きをしていたんです。連載中の現実逃避ですね。遊びで描いていて楽しかった」といい、小学館からのオファーを受けて「ガンダム」シリーズのマンガを描くことになった。
「“俺が考えた最強ガンダム”のノリですね。全2巻で終わらせる予定だったのですが、楽しかった。楽しい感覚が久しぶりだった。ガンダムを描きたい!といってもなかなか描けるものではないですし」と筆が乗り、10年以上にわたる長期連載となった。
人気作となり、アニメ化、ガンプラ(プラモデル)化もされた。「アニメの第1話を見て、うれしくて泣きました。ガンプラが出ると思っていなかったですし、男の子の夢を実現した。いつかアッガイのガンプラを出したいですね」と笑顔で語った。
2018年、太田垣さんは腱鞘炎のため、第109話以降の画風を変えた。“作画パートナー”の桜さんは作画に加え、メカデザインを手掛け、umegrafixさんは彩色を担当し、太田垣さんを支えている。太田垣さんは「細かい指示を出さなくても考えてくれる。こんなにありがたいことは初めてです。腱鞘炎でつらかったけど、こういう出会いがあったから、あの痛みも無駄じゃなかった」と“作画パートナー”に全幅の信頼を置いている。
◇MSデザイン秘話
メカデザインも手掛ける桜さんの太田垣さんのデザインの特徴を「バーニアをいっぱいつけて、サブアームも付ける。最初に、見た時はショックでした。先生のリアリティーを通していて、合理的です。先生がデザインしたモビルスーツ(MS)は、宇宙服の延長線上で考えている」と説明。umegrafixさんは「サブアームのショックがすごい。宇宙飛行士の感覚をガンダムに持ち込まれていると感動しました」とうなずいた。