【独自密着】海難救助のエキスパート「海猿」のリアル! 挑戦は29歳まで…3回の不合格を乗り越えた “新人潜水士” の覚悟とは(every.しずおか特集)
この日の海中の視界は1m以下。プールでの研修とは違う、本物の海の怖さを目の当たりにします。 (清水海上保安部 新人潜水士 柴田大介さん) 「研修でやっていた時よりも視界が悪くなって、自分が水平なのかどうなのか、地面までの距離などが分からなくなり、中性浮力とかも保てなくなったりしてました」 新人とはいえ、難関を突破したエリート。しかし、初訓練は先輩潜水士との力の差を肌で感じるほろ苦い結果となりました。 (清水海上保安部 新人潜水士 柴田大介さん) 「体力的にも、技術的にも、想定はしていたんですが、本当に全然まだまだ(実力が)足りないなということを、すごく痛感しました」
(清水海上保安部 潜水班長 原田雄平さん) 「新人潜水士にとっては、きょうは負荷の高い訓練だったとは思います。我々のフィールドが浸水転覆している、対象が船舶という場合もあって、加えて、海上が荒れていたり、劣悪な環境というのが十分考えられるので、自身だけじゃなく相手の立場になって、相手のために動ける潜水士になってほしい」
業務は多岐にわたる
厳しい訓練に明け暮れ、日夜、不測の事態に備える柴田さんですが、その仕事は潜水士だけではありません。実は柴田さんの本業は、船のエンジンなどを管理する機関士。この日は、海上で給油作業を行います。 (清水海上保安部 新人潜水士 柴田大介さん) 「潜水士のことだったり、機関科の作業だったりとか、清水の地勢など、いろいろ覚えなきゃいけない事があるので、その辺はちょっと大変だなと思う部分はあります」
“海猿”にあこがれて
海上保安庁の中で潜水士は、全職員のわずか2%の花形ポジション。そのため、潜水士になるには厳しい選抜試験を突破しなければならず、その受験資格も29歳までと、非常に狭き門です。中には人生を賭け、何度も挑み続ける職員も。
「おきつ」の調理担当、多田隼人さん(27)もその1人です。船内の狭い調理場で、毎日、約20人分の食事を作ります。そんな多田さんが潜水士を目指したキッカケは… (清水海上保安部 多田隼人さん) 「小学生の時に映画の海猿を見て、潜水士になりたいと思いました」 小学生で抱いた夢を、今も追い続ける多田さん。しかし、現実は厳しくこれまで3回、選抜試験に挑みましたが、いずれも不合格。 Q選抜試験は難しい? (清水海上保安部 多田隼人さん) 「難しいです。年々泳ぎが速い子が入ってくるので、そこに追いつくのも必死で、日々の業務の中で、いま以上に結果を出すのは、すごく難しいと思っています」
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