【訴え】ネットのデマ・ひぼう中傷「言葉で人を殺すゲームのターゲットになった」被害者が語る恐ろしさ 福岡
FBS福岡放送
4日から人権週間です。福岡市で、インターネット上のデマやひぼう中傷による人権侵害をテーマにした講演会が開かれました。登壇したのは「殺人犯だ」と言われなきウソで全てを失った男性タレントです。 ■スマイリーキクチさん 「よろしくお願いします。」 柔らかな物腰であいさつするタレントのスマイリーキクチさん(52)。4日午後、福岡市中央区の中央市民センターでおよそ1時間半の講演を行いました。テーマは、ネット上でのデマやひぼう中傷による人権侵害についてです。 ■スマイリーさん 「言葉って、口先から出す言葉、SNSでスマートフォンやパソコンで出す、指先から出す言葉。全部、言葉って刃物と同じです。」 スマイリーさんは10年もの間、ネットのデマやひぼう中傷と戦い続けました。1999年に「凶悪殺人の共犯」というデマがインターネットの匿名掲示板に書き込まれて拡散し、ひぼう中傷が相次ぎました。決まっていた仕事はなくなり、穏やかな生活が奪われました。 ■スマイリーさん 「ひぼう中傷を受けている時に、これ、言葉で人を殺すゲームなんだ、それのターゲットにされたんだ。そう思いました。」 現在は、自身が経験した恐ろしさや被害を防ぐ方法、加害者にならないための講演を全国でしています。 ことしの夏に行われたパリオリンピックでは、多くのアスリートがSNSでひぼう中傷を受けたことが問題となりました。ことし11月には、池袋暴走事故の遺族松永拓也さんを名指しし「殺してあげようか」とメールを送り脅迫したなどとして、14歳の中学3年の女子生徒が書類送検されました。 日常生活に欠かせないインターネットでのひぼう中傷は、大きな社会問題となっています。 ■スマイリーさん 「加害者を減らせば、被害者いないんですよね。(ネットの)匿名性ではなく人間性の問題なので、人間性をしっかり育成する環境をつくらないといけない。」 スマイリーさんは、ひぼう中傷で苦しむ人たちに向けて「抱え込まず、相談窓口でも誰でもいいので多くの人に話してほしい」と呼びかけています。