〈統一地方選〉相乗り候補が多い理由は?
以上は相乗りについての一般的な理由であるが、近年の知事選に特殊な理由もある。2007年の統一地方選では、民主党が小沢一郎代表(当時)の主導で、知事選での「相乗り禁止」原則を打ち出した。ところが、2011年の統一地方選では、今回と同様に6県の知事選で自民・民主の相乗りが見られ、両党が対決したのは2県に過ぎなかった。2011年の統一地方選は東日本大震災の直後だったこともあり、当時与党であった民主党への批判が強かった。加えて、そもそも民主党は、自民党に比べて地方での組織力が弱い。要するに、民主党への支持が減り、党の体力が弱っているため、独自候補を立てても勝てる見込みが小さくなっている。この点も、もともと民主党の地盤が強い北海道のような場合を除き、与野党相乗りか、独自候補擁立見送りが多くなってきている理由であろう。 ----------------- 内山 融(うちやま ゆう) 東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は日本政治・比較政治。著書に、『小泉政権』(中公新書)、『現代日本の国家と市場』(東京大学出版会)など。