サニブラウンが原宿の中学校を〝突撃〟訪問 陸上部員へ「今後の競技人生になにか生きてくれれば」/陸上
陸上の男子100メートルで、今夏のパリ五輪で準決勝に進出したサニブラウン・ハキーム(東レ)が7日、東京・渋谷区の原宿外苑中学を訪問し、学生との交流を楽しんだ。サニブラウン自身の希望で実現した訪問。日本陸連を通じて前日、急遽(きゅうきょ)学校が決まった。陸上部の練習を見学し、その後に学生からの質問を受けるなど、短い時間でも濃い交流となった。サニブラウンは、「部活っていう感じで懐かしかった」と笑顔で振り返った。 学生の練習を笑顔で見守り、質疑応答では、率直な質問に真剣に答えた。「緊張するときの対処方法は」と聞かれると、「緊張しているように見えますか?」と逆質問。「見えないです」と返ってくると、「緊張することはあまりないです。普段から周りに強い選手がいることもあるけど」と前置きしつつ、自分なりの対処法を伝授。スタートの際、自分のペースに持っていくために周りにせかされないようスターティングブロックには最後の方でつくことなどを紹介した。「今の子供たちが思うのは大体近しいものが多い。その質問に自分がどう答えて、どう影響を与えられるかというのが一番大事になる。きょうの質問の答えが彼ら、彼女らの今後の競技人生になにか生きてくれれば」と願った。 この日訪問した原宿には縁があるそうで、「保育園の時に千駄ヶ谷小学校にサッカーに来ていたり、保育園が渋谷保育園だったり」と明かした。訪問した中学は、男子400メートルリレーで今夏の全中に出場した実力校。思い出深い土地の学生との交流に、「今の子たち、高校生も中学生も全体的にものすごく速くなっていると思う。この子たちの可能性をつぶさずにもっともっとチャンスを自分らから与えられたら」と語った。 サニブラウンは今シーズンの試合を終えて帰国し、10月中は自身が主宰の「DAWN GAMES」の決勝大会に参加したり、ジュニア選手とのキャンプを実施して1対1で話す機会を設けたり、母校の小学校を訪問したりと、普及活動に力を入れているサニブラウン。未来ある子どもたちとの交流で、自分も刺激も受けている。 来年9月には、国立競技場で世界選手権が開催される。今後に向けて、「責任感とともに、来年はやってやるぞという気持ち」と意気込みを語った。