伝統の技術、次世代へ 奄美大島紬専門学院入校式 奄美市名瀬
本場奄美大島紬技術専門学院(校長・黒田康則本場奄美大島紬協同組合理事長)の2024年度入校式が4日、鹿児島県奄美市名瀬の市産業支援センターであった。今年度は今春高校を卒業したばかりの山口県出身・磯部叶実さん(18)と、奄美市名瀬在住の蘇畑三保子さん(66)が入校。本場奄美大島紬の「織り」の技術を2年間かけて学ぶ。 同専門学院は1980年に開校。熟練の織り技術者による指導の下、2023年度までに延べ457人を輩出している。 磯部さんは高校時代、母親が持っていた大島紬を目にした時に、「『これを作りたい』と直感的に感じた」と話す。「黙々とする作業時間は楽しい」と感想を語りながら「現代の人々や国を越えて着てもらえるように頑張りたい」と意気込む。 蘇畑さんは仕事を退職後、知人から織り技術者の魅力を教えられ入校を決意。「大島紬は二十歳に着て以来着たことがなかった」としつつも「やりながら大変なこともあると思うが、地道に続けられるよう取り組んでいきたい」と語った。 黒田校長は「織りの工程は40もの工程の最終仕上げで極めて重要な部門。先人の築いた技と心をより豊かなものに育て、次世代につなぎたい。一歩一歩着実に技術を習得してください」とエールを送った。