フットサル界“最大勢力”帝京長岡高出身の25歳・齋藤日向「自分は考えるところが足りない。ただ走るだけではなく賢く走る」|フットサル日本代表
11月16日、フットサル日本代表は、ウズベキスタン代表との2試合の国際親善試合に向け、活動初日に高円宮記念JFA夢フィールドでトレーニングを行った。 現在、木暮賢一郎監督率いる代表チームが掲げるキーワードの一つが「モビリティ」だ。日本語で「機動力」と訳されるその概念は、チームに躍動感と攻撃性を生み出すための重要な指針であり、そのキーマンの一人として期待されるのが齋藤日向だ。 これから中核を担っていく25歳の彼はただ、10月のアジアカップ予選でメンバー入りしながら、満足のいく出場時間と結果を出せなかった。指揮官に求められるパフォーマンスは明確でありながら、その質をピッチで表現できるかが生き残りの生命線だ。 練習後、齋藤に話を聞いた。
メッセージはもらっているので、よりレベルを高く
──アジアカップ予選が終わり、またここから次の戦いが始まります。ウズベキスタンとの親善試合に向けた合宿1日目を終えての感想はいかがですか? まずは、ここに戻って来られた喜びと責任を感じてプレーしないといけないなと。一次予選が終わったので、次の目標に向けてまずはウズベキスタンとの2試合、チームとしても結果と内容、それに個人として求められているものも結果として出さないといけないと感じながら、1日目のトレーニングを迎えました。 ──アジアカップ予選は、齋藤選手にとっていろいろと感じることの多い大会だったと思います。その後、ここまではどんな日々だったのでしょうか。 正直なところ、パフォーマンス的にうまくいかない大会でした。そこからは、自分に求められていることをまずは最低限やらないといけないですし、オフィシャルな舞台でも出せるような日々の取り組みを意識してきた1カ月ちょっとの期間でした。あとは、プラスアルファで、技術的な部分も、頭の部分も。前回の代表活動の時と同じままではなく、もう一つ、二つでもできることを増やしていかないといけないと考えながらプレーしてきました。 ──アジアカップ予選は出場時間も少なく、主軸ではありませんでした。どんな感覚でしたか? 率直に悔しい気持ちがあります。一方で、自分の現状を受け止めないといけない。立ち位置がどこなのかを受け止め、なにを求められていて、それをどれだけレベル高くできるかによって、今後の序列を上げ、使ってもらえる選手になれるかにつながるので、まずは受け入れる。その上で、自分を高めていかないといけないですね。 ──メンバー選考を見ていても、すごく期待を背負っているな、と。 そうだとうれしいです(笑)。 ──木暮賢一郎監督が大阪を率いていた頃からも期待を感じさせてきましたし、アジアカップへ向かう前の若手合宿にもメンバーに入っていました。モボリティをテーマにしたチームづくりで選ばれているのが齋藤選手です。メッセージ性がありますよね。 モビリティは間違いなく求められています。ただ走るだけではなくチームのコンセプトというか、頭を使って賢く、なおかつモビリティを出すということで言えば、今の自分はまだ考えるところが足りていない。ただ走っているとか、相手によってプレーを変えられるところまできていないので、そのクオリティを上げないといけない。それができたら試合に出る時間も増えていくと思います。メッセージはもらっているので、よりレベルを高く。モビリティと、ただ走るだけではなく賢く走ることをやっていきたい。 ──齋藤選手は、戦術理解にも長けていて、技術をどこでどう出すかも得意なように感じます。それでも今の代表チームはすごく頭を使うという点でもハードですか? すごくハードですね。自チームとプレーモデルが異なることもありますし、一番難しいのは、素早く動きながら考えること。考えるスピードが日頃よりも求められる。走ること、考えること、両方のスピードに難しさがあります。