外来種シロアゴガエルに警戒 世界自然遺産地域連絡会議 奄美大島
2024年度奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島世界自然遺産地域連絡協議会・奄美大島部会と、奄美群島世界自然遺産保全活用検討会・奄美大島自然利用部会の会合が6日、鹿児島県龍郷町のりゅうがく館で開かれた。遺産地域の管理に関する奄美大島の行動計画の進捗(しんちょく)状況を関係各機関が確認。外来種対策に関して、徳之島や与論島で確認されている特定外来生物シロアゴガエルについて報告があり、警戒の必要性を共有した。 地域連絡会議は行政や地元団体など関係機関の連絡・調整や合意形成を図る目的で設置され、地域別の部会を設けて遺産登録地の適正な管理の在り方を協議している。オンラインも含め、環境省、林野庁、県、市町村、自然保護団体、観光団体の代表者ら約60人が出席して意見を交わした。 行動計画の進捗状況報告では、各市町村・団体が実施した環境保全事業や啓発活動などの内容を確認した。外来種対策では、環境省奄美群島国立公園管理事務所が特定外来生物シロアゴガエルについて「奄美大島にもいつ入ってきてもおかしくない」と指摘。特徴や見分け方を紹介し、同省奄美野生生物保護センター(大和村)のホームページで公開している「奄美のカエル鳴き声図鑑」の活用を呼び掛けた。 瀬戸内町は23年度から取り組んでいる特定外来生物オオフサモの防除事業について「ほぼ根絶といっていい状況」と報告。合わせて、世界自然遺産のコアエリアに入り込んでいる特定外来生物以外の植物についても駆除事業へ助成が必要と訴えた。 このほか、奄美大島と徳之島の固有種、絶滅危惧種のモニタリング調査の評価結果の報告や地域別行動計画の改定などについて報告があり、出席した関係各所で意見を交わした。