「国有化」ルネサス、柴田社長が大型M&Aで復活主導-株価は10倍超
野村証券の山崎雅也アナリストは柴田氏について、CFO時代は固定費削減など構造改革が中心だったのに対し、CEOに就任してからはトップラインを伸ばすことやガバナンス、投資などバランスの取れた経営にかじを切れているとして、「ポジションによって成長されてきた」と評価する。
英調査会社のオムディアによると、ルネサスは日本の半導体メーカーとしてはソニーグループの半導体子会社、ソニーセミコンダクタソリューションズやキオクシアホールディングスなどを売上高ベースで上回り、首位につけている。だがテックインサイツが4月に発表した世界の車載半導体ランキングでは5位に沈み、かつてのライバルだった独インフィ二オンテクノロジーズの背中が遠くなっている。
ルネサスは30年に売上高を200億ドル(約3兆2000円)超、時価総額を22年比で6倍とする目標を掲げる。柴田氏はこれにより時価総額は16兆-17兆円程度に高まることが視野に入るとしている。さらに柴田氏は、マイコンやパワーなど複数製品が機器に使われる「組み込み半導体」の分野で「グローバルトップになりたい」と力を込める。
野心的な経営目標の達成には、強力なリーダーシップが必要となる。柴田氏は自身の経営トップとしての任期は取締役会や株主が決めることだとした上で、「やっぱりリーダーは相応の長い期間やることが望ましいと思っている」と語った。
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Yuki Furukawa, Min Jeong Lee