5月末にも公費解体 氷見、倒壊の薮並酒店 市、安全面で緊急性判断
●北大町で第1号 氷見市が能登半島地震で建物が倒壊した北大町の薮並酒店を今月末にも公費解体する工事に着手する方向で調整していることが21日、分かった。倒壊した建物が歩道にせり出した状態であり、安全面から緊急性が高いと判断した。甚大な被害が出た北大町での公費解体の第1号となる見通し。 薮並酒店は県道薮田下田子線に面し、地震で建物がつぶれ、時間の経過とともに状況が悪くなっているとの見方がある。 市は現在、解体業者との調整を進めており、今月末から来月初旬までに建物を解体撤去する工事に着手する方針。近隣の被災建物とともに数軒単位でまとまって公費解体する方向で進めており、薮並酒店を皮切りに6月以降に本格化する見込み。 市は3月末から姿地区で倒壊建物の公費解体に着手して以降、姿地区で3軒、間島、柳田地区で各1軒の計5軒で緊急性の高い建物の公費解体を行っている。 ●対象は1000軒超 市によると、市内の住家被害は21日現在で全壊と半壊が696軒で、倉庫などの大被害の315軒を含めて公費解体となる建物は1千軒を超えたが、申請件数は20日時点で公費解体が272件、自費解体が17件にとどまっている。