練習参加2日間でVリーグデビューし連日の2桁得点 カノアラウレアーズ福岡の17歳アタッカー 特別指定選手の若松真央
バレーボールVリーグ女子のカノアラウレアーズ福岡に特別指定選手として加入したアウトサイドヒッターの若松真央(福岡女学院高3年)が上々のVリーグデビューを飾った。 ■高校3年生、若松真央ってこんな選手♥ 27、28両日、福岡県の田川市総合体育館で行われた倉敷アブレイズ戦でコートに立ち、アタックでいずれも2桁得点の活躍。チームが2日続けてフルセットの末に敗れる中、思い切りのいいスパイクと定評のあるディフェンスでホームの会場を沸かせた。 カノアの森田亜貴斗監督(42)が「とにかく抜群」と絶賛する非凡なセンスをいきなり披露した。27日は第1セットの途中からコートに入り、レフト側からのオフェンスを担った。硬軟織り交ぜたスパイクで28打数10得点。「(ライト側からに比べて)自信を持てなくて、正直不安もありました。でも、しっかり上から(ボールを)たたけて決まったときはうれしかったです」。同じく途中出場となった28日も39打数14得点と躍動。会場MCが連呼する「マオコール」に背を押されるように無心で右腕を振り続けた。 相手サーブのターゲットになりながらも、決してひるまなかった。受け数は27日の34本、28日の35本ともにチーム最多を計上。「しっかりパスを(セッターに)返して、チームに貢献する」とのシンプルな思考でボールに集中した。27日に42・6%だったサーブレシーブ成功率は28日に57・1%をマーク。約14・5ポイントも上げた。 チームの全体練習に参加したのは2日間ほど。24日に加入が発表されたばかりだった。「トス一つとっても合わせるのが大変なはずなのに、適応能力があってコートでの約束ごともすぐに覚えられる」と森田監督は感心しきり。17歳の高校生とは思えないという。 2年連続の出場が懸かった全日本高校選手権(春高バレー)の福岡県予選決勝ではライバルの福岡工大城東高にセットカウント2―3で惜敗。今夏の全国高校総体(インターハイ)の出場も逃していただけに、失意に沈んでもおかしくなかった。それでも気持ちを切らすことなく、新チームの後輩たちの「練習台」になってボールを追った。 来春からは強豪の鹿屋体大に進学する。「(春高予選が終わり)引退して今の時期をどう過ごすのかが大事だと思ってます。(カノアから特別指定選手の)お話をいただいた時に、私の中で『断る』という選択肢はありませんでした」。カノアでプレーするのは来年2月末までの期間限定でも、迷いは一切なかった。長丁場のシーズンを戦い抜く上で、サイドアタッカーの層を厚くしたかったカノアにとっても貴重な戦力だ。 カノアは通算9勝5敗でプレーオフ圏内の4位(11チーム中)をキープしたまま、年内の試合を終了。来年1月18、19両日に福岡市早良区の早良体育館で行われる広島オイラーズとの2連戦からリスタートする。卒業式までの残り2カ月、高校最後の「春高」でプレーできなかった悔しさをパワーに変えて、背番号「17」の新星「マオ」が光り輝く。(西口憲一) 【#OTTOバレー情報】