愛であふれるSnow Manのステージ「僕たちの光はみなさん」演出の端々に感じる心意気
<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム> 2024年は、アーティストへのリスペクトをより感じる1年だった。さまざまなアーティストのライブを取材させていただく機会に恵まれたが、今や押しも押されもせぬトップアイドルとなったSnow Manのライブは、強く印象に残った。 【写真】年越し生配信を行ったSnow Man 取材したのは「Snow Man Dome Tour 2024 RAYS」の東京ドーム公演初日。会場最寄り駅から、メディア受付まで歩いている時に目についたのが、年齢層の幅の広さ。メンバー9人それぞれが個性や強みを持ち、多方面で活躍しているのは周知だが、老若男女幅広い層のファンが来場していた。10~20代の女性ファンが多いのはもちろん、親子だったり、カップルだったり。記者はSnow Manのパフォーマンスを生で見るのは初めて。幅広い層から支持を得るアーティストが、どういったステージを見せるのか、期待が一気に強まった。 ライブ本編の幕開けは、9人おのおのが思い思いに登場した。左右のステージ上空から姿を現したメンバーもいれば、アリーナには岩本照(31)がバイクに乗って登場。鼻の手術から復帰したばかりだったため、会場の真ん中を縦断して登場したのは、元気な姿を伝えるためのあいさつ代わりにも見えた。 全体パフォーマンスでは、広大な会場を隅から隅まで見渡すかのように地上24メートル、3階席ほどの高さまで上がる気球に乗った演出も行われた。気球でのパフォーマンスは、極力スピードを遅くし、ファン誰ひとり取りこぼさんとくまなく視線を送っているようにも感じられた。 ライブ中盤には「まずはファンに届けたい」というメンバーたっての希望で、YouTube生配信を実施。新曲「SBY」を会場の5万5000人、配信を見届けた50万人超のファンの前で初パフォーマンス。そして締めのあいさつで深澤辰哉(32)が届けた言葉が、なんとも愛情深かった。「『RAYS』というアルバムを引っさげてのツアーですが、本当に、僕たちの“光”はあらためて皆さんなんだなって思いました」と表現。重ねて「これからも支え合いながら、1歩1歩新たな光に向かって突き進んで行きましょう」と手を差し伸べた。一人でも多くの“ファンのために”という気概は、演出の端々からにじんでいたし、うそ偽りなく感じられた。 取材が終わり、駅までの帰路に就く途中、記者の後ろにいた女性ファンが突然泣き出した。「まだ帰りたくない~」と、夢の時間が終わるのを惜しむように号泣。また別の年配ファンは「最高だった!」と家族だろうか友達だろうか、高揚した様子で報告していた。 かっこよくもあり、ユーモアにも転じることができる9人。多くの人が夢中になる理由にうなずけた。 歓声と笑顔が飛び交う観客の姿を横目に、記者席では原稿と格闘。「仕事さえなければ…」と心の中で唱え続けた2時間30分となった。【望月千草】