米民主ウォーレン上院議員、富裕税法案を再び提出-信託の規制強化も
(ブルームバーグ): 米民主党進歩派のエリザベス・ウォーレン上院議員は「ウルトラミリオネア」の富に課税する法案を再び提出した。信託に関する新たな規制強化も盛り込んでいる。
米下院は共和党が支配しており、法案が議会で可決する見込みは薄い。だが、米大統領選が本格化しつつある中で、バイデン政権も富裕層による租税回避の取り締まり強化を強調しているほか、独自の富裕層増税を提案している。
法案では純資産が5000万ドル-10億ドル(約75億-1510億円)に上る世帯および信託に対して年2%を課税する。純資産が10億ドルを超える場合にはさらに1%を上乗せで課税。信託で保有する富についても脱税・租税回避を防ぐ措置を盛り込んだ。
ウォーレン氏は「この法案は、5000万ドル以上を稼ぐほどの成功を収めたら、それを超える稼ぎについては1ドルにつき2セントを差し出すよう求めているだけだ。そうすることで、誰もがチャンスを手にできる」と述べた。
ウォーレン氏は以前にも、この法案を議会に提出しており、2020年の大統領選に向けた民主党の候補指名を争っていた際にも公約に掲げていた。法案が成立した場合、10年間で約3兆ドルの歳入をもたらすとアナリストは分析している。ただ、法律の専門家からは富裕税の合憲性を巡り、疑問を呈する声も上がっている。
原題:Warren Pitches Wealth Tax on ‘Ultra-Millionaires’ and Trusts(抜粋)
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Samantha Handler