トヨタ・ヤリスクロスだけの強みはなんだ? ホンダWR-V、日産キックスと価格や装備を比べてみた【国産コンパクトSUVガチンコ比較】
【ボディサイズ比較】もっともコンパクトなヤリスクロス! 車内はWR-Vが一番広い
まずは、取り回しや室内空間に関わるボディサイズについてを比べてみよう。 いずれの車種もコンパクトSUVとして平均的なサイズで、極端に運転しづらいといった不満は出ないだろう。室内空間についても、すべての座席で必要十分なスペースが確保されている。 【画像で見る】国産コンパクトSUV3車種の荷室の違い そのなかでも飛び抜けて車内が広いのはWR-Vだ。ヤリスクロスとキックスの後席空間は同じくらいだが、WR-Vは同社のヴェゼルより広い後席空間を実現している。 荷室容量もWR-Vがもっとも大きく、次点が僅差でキックスだ。5名乗車時の荷室長はキックスがWR-Vを上回るが、4WDモデルはドライブトレーンが荷室空間を大きく圧迫するため、荷室容量の順位はヤリスクロスと入れ替わる。 荷室の使い勝手に関しては、数々の工夫が凝らされたヤリスクロスがもっともユーザーフレンドリーだ。 WR-Vとキックスのリアシートはオーソドックスな6:4分割可倒式であるのに対し、4:2:4分割式を採用するヤリスクロスは長物が積みやすいように配慮されている。また、荷室床面高を左右独立2段階で切り替えられる機構も備わり、用途や荷物に応じて限られたスペースを有効利用しやすい。 また、パワーバックドアや荷室にAC電源口がオプションで追加できるのは3台のなかでヤリスクロスだけだ。
【パワートレイン比較】燃費はヤリスクロスの圧勝! 静粛性はe-POWERのキックス
ヤリスクロスはモーターとエンジンを協調動作させるパラレルハイブリッドモデルと、純ガソリンエンジンモデルの2種類がラインナップする。 キックスには、エンジンで発電しモーターで走行するシリーズハイブリッドシステム「e-POWER」が搭載され、WR-Vは純ガソリンエンジンのFWDのみとパワートレインは三者三様だ。 いずれの車種も過不足ない動力性能が与えられているが、パワートレインの違いで乗り味はずいぶんと異なる。とりわけ走行時の静粛性や振動に大きな違いが感じられるだろう。 ヤリスクロスはエンジンとモーターがそれぞれの効率よく動作するため燃費性能に優れ、どのような状況での走行でもそつなくこなしてくれる。しかし、エンジンの音や振動が車内に伝わりやすく、とくにハイブリッドモデルはモーター走行時の静粛性が高いだけにエンジンの稼働音が気になりやすい。 WR-Vとヤリスクロスのガソリンエンジンを比べてみても、3気筒エンジンのヤリスクロスよりも4気筒エンジンを搭載するWR-Vのほうが振動は小さい。 3台のなかで静粛性がもっとも優れるのはキックスだ。 キックスは2022年のマイナーチェンジで4WDが追加されるとともに、最新の第2世代e-POWERに刷新。モーター出力の強化に加えて充電タイミングが見直され、周囲の音に紛れ込ませてエンジンを稼働させるためエンジン音が気になりづらくなった。 強力なモーターによる加速と運転疲労を軽減するワンペダルドライブが相まって、キックスは電気自動車のような運転感覚だ。