元ドラフト候補→BreakingDown→RIZIN 204cmの怪人エドポロ・キングとは何者か「3年以内にはUFCに」
セネガル相撲を学びに3か月の現地修行へ
「自分の発端というか、僕がこうなったのは『BreakingDown』のおかげでもあるんですけど」。初参戦から連勝し名を広めたエドポロは、前置きした上で続けた。 「今出てるやつは、きもいですね。もちろん人にはよるんですけど。BreakingDownの知名度だけを利用してるやつも多いんで。そういう人間にはなりたくないですね。やっぱ良い見本にならないとだめですね」 格闘技に対しては常に本気の姿勢を貫いている。今年初めにはリオ五輪レスリング銀メダリストで、RIZINファイターである太田忍からのXでの返信をきっかけに、セネガル修行を決行した。 「普通は(格闘技で)行くとしたらアメリカとかタイだと思うんですけど。そうなってしまうとみんなと同じ道になる。当時は(国技である)セネガル相撲を知らなかったんで調べました。大きい選手と組み合えるとなると、僕はここかなと。現地には僕よりでかい人、ごっつい体重の人もいるんで」 3か月間、文字通りセネガル相撲漬けのストイックな生活を送った。 「朝から練習をして、昼も夜も練習して寝て起きてまた練習しての繰り返しで。ご飯もそのへんで鶏肉買って、米炊いてって感じでした。現地は宗教の理由でアルコールもだめで、お酒も全く飲まなかった。プライベートの遊びの時間みたいなのもほとんどなかったですね」 文化も習慣も全く違うアフリカの地での生活は過酷だった。 「特に風呂とトイレっすよね。水回りが壊滅的に終わってましたね。あとは食事がやっぱり合わなかったですね。僕は辛いのが苦手で、基本的に食べ物はスパイシーなんでちょっときつかったですね」 しかし、異国で過ごした日々の充実感はその表情が物語る。 「向こうにしかない技術。手足の長い僕の体格に合った技術を教えてもらいました。セネガルから帰ってきてテイクダウンディフェンスが格段に変わりましたね。今僕のジムにもセネガル人が二人来ていて一緒に練習しています」 「(帰国しても)セネガルで3か月過ごしたらもうどこでも行けるやろっていう自信ががつきました。人間的成長なくして技術的進歩なしっていう好きな言葉があるんですけど、(マインド)の部分でも成長できたなって思います」 現在は週1日、大学中退後に短期間ダルビッシュ翔氏の下で働いていた縁から、「大阪租界」のメンバーらと炊き出し活動を続ける一面も持つ。 「やっぱり、ありがとうって言われたら気持ちいいです。もう習慣なんでそれが当たり前になってる感じですね。どんなに有名になってもこれは続けていきたいです」 最後には溢れ出る野望を口にした。 「まずは『RIZIN』が盛り上がる試合をしたい。そして、3年か4年以内には『UFC』に行きたい。口で言うのは簡単なんで、ビッグマウスに伴った実力をコツコツとつけていくことが一番の近道なんじゃないかと。結局どこまで行っても大金持ちになりたいんですよ。結果出して良い生活したいですね」 対戦相手は元幕内力士の貴賢神。フィジカルアスリート同士のカードが組まれた。元ドラフト候補から「UFC」へ。夢への道を歩きはじめたエドポロは、まず大みそかのさいたまの地から世界の度肝を抜く。その準備は整っている。
浜村祐仁