「自宅で倒れて一番困るのは浴槽の中」…夫婦で暮らしていても起こりうる「孤独死リスク」を防ぐ方法とは?
『あなたが独りで倒れて困ること30』 #3
2025年には6世帯に1世帯がひとり世帯になり、未婚も既婚も子なしも子ありもいつかは「おひとりさま」になる時代がやってくる…そんな時代においては老後や死に対する多くの訴訟やトラブルがつきまとうため、今からひとり暮らしの孤独死リスクへの対処法を学んでおこう。 【関連書籍】『あなたが独りで倒れて困ること30』
『あなたが独りで倒れて困ること30(ポプラ社)』より、一部抜粋・再構成してお届けする。
見つかったときはすでに腐敗が進行…分譲マンションでの孤独死は悲惨
人は家の中か、家の外か、どちらかで亡くなります。家の中で亡くなる=事故物件になってしまうと不動産の資産価値が下がるので、国交省は2021年に事故物件のガイドラインを発表しました。 大きくは自殺や事件の場合には事故物件となりますが、病死の場合は事故物件にはなりません。ただし発見が遅く、特殊清掃が必要になれば事故物件となります。 事故物件と言えば、どうしても賃貸物件をイメージしやすいのですが、持ち家でも同じことです。特に密閉度の高いマンションの場合、室内で倒れていても気付いてもらいにくいものです。 賃貸物件なら、家賃が支払われないからおかしいと家主などが気付き、さらに連絡がつかないと安否確認で家主側が室内に立ち入ることもあります。 一方で分譲マンションの場合、管理費や修繕積立金は銀行からの自動引き落としなので、そこから気付かれることはほとんどありません。 まして条件のいい物件ならある程度の広さもあります。玄関から遠く離れた部屋で倒れた場合、気が付くのは悪臭等がしてからになるでしょうから、その時には相当腐敗が始まっています。 そうなるとその部屋だけでなく、マンションそのものの資産価値も下がってしまう可能性があります。当事者の家族(相続人)だけでなく、赤の他人のマンションの所有者の方々にまで、迷惑をかけてしまうことにもなりかねません。 室内で倒れて一番困るのは、浴槽の中で亡くなることです。保温機能が作動中のお湯の中で亡くなった場合、人の体は腐敗が早く進み、お汁状になってしまうこともあるのです。そうなると臭いは大変なもので、ユニットバスごと交換したとしても消えないという話も聞いたことがあります。 換気口を通して別の部屋でまで臭ってしまったら......。考えただけでゾッとしませんか?