闘病を乗り越えプロへ、平塚新夢が逆転優勝 賞金500万円獲得も「税金がこわい」【マイナビ ネクストヒロインツアー】
<マイナビ ネクストヒロインゴルフツアーファイナル 最終日◇15日◇PGM総成ゴルフクラブ(千葉県)◇6493ヤード・パー72> 平塚新夢のぴえんポーズ【写真】 「全然優勝できると思っていなかったので、めちゃくちゃうれしいです」。最終日に7バーディ・2ボギーの「67」をマークし、プロテスト合格者で今季第6戦の覇者・平塚新夢がトータル6アンダーで逆転優勝。今季初となる複数回優勝に輝いた。 初日は前半4番パー5で、3番ウッドで打った2打目をピン横30センチにピタリとつけ、イーグルを奪取。その後はボギーとダブルボギーを重ねて失速し、1アンダーで競技を終えた。4打差の8位タイで迎えた最終日。平塚は「正直『優勝するぞ!』という感じよりは、いつもと同じように目の前の1打を一生懸命打つことを意識した」と語る。朝から雨が降るコンディションの中で、確実にスコアを伸ばしていった。 1番ホールでボギーが先行したものの、そこから3連続バーディを奪取。一気にリーダーボードを駆け上がった。「逆にそれが良かったのかもしれない」と話し、前半で5つのバーディを奪う落ち着いたプレーを披露した。 後半14番パー5では、約2メートルのバーディパットを沈めて首位に立っていた青木香奈子と並ぶ。ハーフターン時点では「いい位置にいるのはわかっていたので、若干(優勝を)意識していました。でも、最後までどうなるかわからなかったので、ずっと緊張感がありました」と振り返る。この日はショットの距離感とパターのタッチが冴え渡り、グリーン上でのチャンスを次々とものにした。 平塚は高校3年生だった2017年、ステップ・アップ・ツアーで史上5人目(当時)のアマチュア優勝を達成。そして今年、7度目の挑戦でJLPGA最終プロテストに合格した。そこに至るまでの7年間、国が指定する難病『成人発症スチル病』と闘い続けてきた。 優勝賞金の500万円については「税金がこわい。でも、両親になにかプレゼントできたら」と恩返しをしたいと話す。19日(火)から行われるQTファーストステージを控え、来季の主戦場が決まる重要な局面に立つ。「どっちにしても経費がものすごくかかるので、この賞金を頼りに色々な試合に出場したい」と語り、賞金の使い道を明かした。 「レギュラーツアーでトップに顔を出せるようなプロになりたい」。平塚新夢の新たなプロ人生が始まろうとしている。(文・小池文子)