金与正氏、韓国への汚物風船認める「いつもやられていること」
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【5月31日 AFP】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong Un)朝鮮労働党総書記の妹、金与正(キム・ヨジョン、Kim Yo Jong)朝鮮労働党副部長は29日、韓国へ向けてごみや汚物が入った風船を大量に飛ばしたことを認めた。与正氏は非難する韓国政府を「自由民主主義の亡者」と呼んで嘲笑し、今後も風船を飛ばし続ける可能性を示唆した。 韓国メディアは、北朝鮮が28日から29日にかけて飛ばした白い風船が割れ、ごみや汚物とみられる中身が散乱した写真を報じた。 韓国軍合同参謀本部は「明らかな国際法違反」だと批判。「北に対し、その非人道的かつ低級な行動を直ちにやめるよう厳重警告する」と非難した。 北朝鮮は先週末、韓国からたびたび飛ばされるプロパガンダ風船への報復として、国境地帯に「紙くずと汚物の山」を浴びせると警告していた。 韓国の活動家団体は、金正恩体制を批判するビラや現金をくくり付けた風船を北朝鮮に向けて飛ばすことがある。 与正氏は朝鮮中央通信(KCNA)が29日夜に伝えた談話で「彼らがいつもやっていることをしてみたのだが、なぜ銃弾の雨を浴びたかのように騒ぐのか理解できない」と述べた。 また、北朝鮮の風船は違法で、韓国側の同様の風船は表現の自由だと主張するのは二重基準だと反発。「『表現の自由』や『国際法』は、風船が飛ぶ方向によって定義されるのか?」と皮肉った。 さらに、風船に入ったごみは「『表現の自由の保障』を叫ぶ自由民主主義の亡者たちに対する『誠意の贈り物』」とみなすべきだとも述べた。 北朝鮮は長年、韓国のプロパガンダに激怒している。厳しく管理された社会に外部の情報が流入すれば、金正恩体制を脅かしかねないという懸念があるとみられている。 映像は聯合ニュースが29日撮影・30日提供。(c)AFPBB News