《衆院選2024》応援弁士、相次ぎ来県 与野党、有権者に訴え 茨城
衆院選で与野党の首相経験者や幹事長が16日茨城県を訪れ、各地で候補者の応援演説に立った。自民党の岸田文雄前首相は取手、つくば両市で演説し「責任を果たし(政策を)実行できるかが問われる選挙」として、政権維持の必要性を訴えた。立憲民主党や日本維新の会は、少子高齢化や「政治とカネ」の問題などを取り上げ、自公政権を批判した。 岸田前首相は、旧岸田派に所属した同党公認候補の応援で来県。党派閥による裏金問題について「心からおわび申し上げる」と聴衆に謝罪。派閥解消や政治資金規正法の改正に取り組んだことに触れて「組織のトップとして、けじめをつけるために退陣を決意した」と理解を求めた。 その上で「政治の信頼回復も大事だが、今の日本は歴史的な転換点の中にあり、結果を出すことができるかが問われている」と強調。2030年代に人口減少が加速化するとして、「経済再生や社会保障、子育て政策が正念場を迎えている。どの政党、候補者が政策を進められるか」と語り、支持を訴えた。 立憲民主党の小川淳也幹事長はつくば、守谷両市で街頭に立った。自公政権について、少子高齢化や膨大な財政赤字、労働賃金低下の問題に取り組まず「極めて残酷な経済社会を(課題に)残している」と批判。「物価は上がり、労働市場は弱体化している。政治の透明化を図り、行き詰まった社会を変革していく」と政権交代を訴えた。 日本維新の会の藤田文武幹事長は水戸、牛久、大洗の3市町で応援演説を実施した。水戸市のJR水戸駅南口では「裏金問題に関わった自民党議員が(批判の)矢面に立っていない」と指摘。再発防止策として議員を会計責任者に据える同法改正の必要性を示し、「私たちは政治に責任を取る。有言実行で無駄を省く政治を進める」と訴えた。 笠間市内で無所属候補の応援演説に立った鳩山由紀夫元首相は、政府が防衛力強化に向けて23~27年度に防衛費43兆円を投じる計画を批判。「予算は技術や教育にかけるべき。米、欧州任せの防衛政策でない日本に変えるべき」と述べた。
茨城新聞社